ダメ出しばかりじゃ人は育たない

人を育てようとするとき、よくあるのは、その人の至らない点を指摘して改善を促すことです。子どもの頃から、そうやって育てられているので、一番慣れ親しんだ方法ではないでしょうか。

でも、これにはいくつかの問題があります。

1つは、これを続けていると、自分に自信を持てない人が増えるということ。

特に、体育会系の気質があって、育てるためには厳しい指導が必要だと考えている上司の場合は要注意です。よかれと思って、熱心に指導しているのにもかかわらず、なかなか人は育ちません。

なぜか。

常にダメなことばかり指摘されるので、だんだん無意識のうちに「自分は至らない点が多くてダメなんだ」とすり込まれていってしまうのです。自覚のないままに、自信が持てない大人が育っていきます。

自信が持てないから、自分から何かを率先してやるということもありません。そういう人が多ければ、活気のある職場にはなりません。何となくどんよりとした、元気のない職場になってしまいます。

また、「どうせ何かやっても、ダメ出しされるだけなので、だったら余計なことはしないで、いわれたことだけやっておこう」という受け身体質にもつながります。

当然リーダーは育ちません。頑張って仕事をしようという人も育ちません。とりあえず、怒られないように仕事をこなす人だけが増えていくのです。

もう一つは、いい仕事をすることよりも、叱られないことが目的になってしまうこと。

誰でも叱られるのは嫌ですから、それを避けようとします。いい仕事をすることよりも、叱られないようにするのです。問題が起きないように、無難にこなすようになるのです。悪いことではないかもしれませんが、いいことだとも言い切れません。

たとえば、始業時の理想は、準備万端整え、前向きな気持ちでスタートダッシュを決められるようにすること。

ところが、遅刻ばかりしている社員がいます。ギリギリに出社してきて、あたふたと仕事を始めるのでちょっとしたミスが多発。時にはクレームになることも。

これでは話になりません。そこで「遅刻するな。10分前には仕事が始められるようにしろ!」といいます。

すると、とりあえず、遅刻しないようにはなるかもしれません。でも、10分前に準備万端になっているかというと、そちらはそうでもないのです。とりあえず、そのように見えるように取り繕うとは思います。でも、その人にとっての目的は叱られないことであり、準備万端整えてスタートダッシュを決めようなんてひとかけらも考えていないのです。

ですから、いつまでたっても、あたふたと仕事を始めることは変わりません。

最後にもう一つ。

叱られてばかりじゃ、やる気になりません!

もしプロ野球選手になるんだというような具体的な目標を持っている人はいいです。そのために努力を惜しまない人だったら、ドンドンダメ出ししたり、叱ったりしてもいいでしょう。それを糧にして、自分で成長しようとするからです。

でも、そんな人ばかりではありません。おそらく、明確な目標を持って、その目標に向かって努力し続けている人の方が少ないでしょう。

自分の成長に強い思いがない人に対して、ダメなことばかり指摘し、叱ってばかりいたらどうなるでしょうか。まあ、仕事に対する意欲は高まりません。仕事に行くのが嫌になるかもしれません。

イヤイヤ会社に来て、怒られないよう、滞りないように仕事をこなす。早く終業時間にならないかなと考えながら、ぐずぐずと仕事をこなす。やる気はないが、叱られないようにやってるようには見せかける。

そんなんでは、とてもいい仕事、いいアウトプットは望めません。

もちろん、叱ること、ダメ出しをすることが絶対にダメというわけでもありません。

ただ、そればかりでは、とりあえず無難な仕事しかできません。決められたことを、普通のレベルできちんとやることはできるかもしれませんが、それ以上にはなりません。

もし、お客様に喜ばれる、本当にいい会社をつくりたいのなら、ダメ出しや叱ってばかりではうまくいきません。ダメ出し以外のやり方が必要です。叱ってばかりじゃダメなんです。

では何が必要なのか。

それは、次回に。

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