あなたは「褒めて育てる派」「叱って育てる派」どちらですか?

昨日も書いたとおり、「ダメ出しばかりじゃ人は育たない」というのは事実です。

では、褒めればいいのかというと、それもそうではありません。

褒めることには大きな意味があると思いますが、それだけではどうかなと思います。叱ってばかりじゃダメなのと同様に、褒めてばかりでもダメだと思います。

世の中、どういうわけか「褒めて育てる派」と「叱って育てる派」に二分される傾向があるのですが、どうしてそう極端になるのでしょう。

それぞれのよいところを生かして、褒めたり叱ったりして育てればいいではありませんか。

もちろん、相手の性格にもよりますし、どのステージにいるかにもよります。

ステージというのは、たとえば、学校卒業したばかりの若者で初心者的な場合と、ある程度経験を積んで知識やスキルが高まってきた場合との違いです。さらには、その仕事について習熟度が高くなり、誰かを指導する立場になるという違いもあります。

初心者は何もできないので、どちらかといえば褒める方を多くした方がいいと思います。具体的にできるようになったことを褒めるとか、取り組み姿勢を褒めるとか、褒めるべき点を見つけて積極的に褒めるべきです。すると自信がついて、意欲も向上して、成長も早くなります。

でも、逆のことをやってしまうことも多いような気がします。まだ未熟だから、たくさん指摘して、改善させて、成長させようというやり方、つまりダメ出し、叱って育てようというやり方です。

ところが、それが逆効果になることも多いんです。できないからといって叱ったり、覚えが悪いからといって「何度言わせるのか」と責めたりすると、落ち込んでしまい、意欲をなくしてしまいます。

やるべきことをきちんと伝えることは大切ですが、それは叱ることとは限りません。

次に、ある程度経験を積んで知識やスキルが高まってきたら、基本的なことができたからといって褒めても意味はありません。できて当たり前ですから。むしろ、基本的なことができていなければ、そのことを指摘するべきです。

ただし、「何やってるんだ!こんなこともできないのか!」と雷を落とすのとは違います。

実は、何をいうか、どう対応するかは、その状況次第です。それをいっては元も子もないんですが、でも、実際そうなので仕方がありません。一律に叱ったり、一律に褒めたり、こんな時はこうするという明確なものがあれば、誰も苦労はしません。状況を見極めて、適切な対策を打つ。ここで差がつくんです。人を育てられる会社は、これをうまくやれる人が必ずいます。

このケースでありがちなのは、少し仕事に慣れてきて、緩みが出てきていること。同時に、次の目標が見えないので、モチベーションが上がらないということです。

もしそうなら、やることは一つ。次の目標を見せてあげて、そのためには今のままじゃダメでしょって指摘すること。

たとえば、こんな感じ。

「○○くんも、もう3年目だね。そろそろリーダーをやってもらう時期だよな。でも、このままじゃダメだぞ。この間みたいなミスが多いと、リーダーとして手本になれないもんな。リーダーとして後輩の手本になれるように、しっかりとやってくれよ。あ、それから、新人の指導も覚えておかないとな」

ここには3つのメッセージがあります。

(1) 次の目標として「リーダー」という役割を提示。
(2) 慣れや緩みがあるところに、もう少し引き締めろよというメッセージ。
(3) さらに、リーダーになるために、身につけるべきポイントを提示。

ポイントは、(2)のところで、強いダメ出しをしないことです。ダメ出しをしなくても、本人だって分かっているからです。それを厳しく指摘しても、いい効果はありません。むしろ、軽く指摘するぐらいがちょうどいいのです。軽い指摘であれば、人から言われて直すというよりも、自分の意志で直すような感じになるからです。自分から、自主的に直す方が、意識が高まります。意欲も高まります。主体性、能動性も高まります。

もちろん、相手の性格によって微妙に違う対応になると思います。でも、次の目標を提示して、緩みを指摘して、新たに身につけるべきポイントを提示するという3点は変わらないのかなと思います。

変わるのは、どこに重点を置くか、どこを強調するか。

すぐに調子に乗るタイプだったら、緩みを指摘して引き締めろよというメッセージを強くするべきでしょう。

あまり自分に自信のないタイプだったら、新たに身につけるべきポイントに、やればできる!という励ましを絡めてあげるといいかもしれません。

結局人を育てるときに必要なのは、叱ることではなく、次のステップへの誘導だと思います。

次のステップ、目標が見えないから、やる気になれないんです。将来の方向性、ビジョンを見せてあげることで、頑張ろうという意欲が湧いてきます。言い方を変えれば、頑張ろうという気になる方向性やビジョンを示さなければならないということです。

そのあとは、「きっとやれるよ」「頑張ればできるよ」という「励まし」

「何でこんなことができないんだ」という『ダメ出し』より、「こうすればやれるよ」という『励まし』が重要です。

よくアメとムチといいますが、アメとムチだけでは足りません。

人を成長させるためには、もっと豊富な栄養分が必要です。目先の目標ではなく、ビジョンとか、目標とか、夢とかもっと大きなエネルギーを生みだす栄養分が必要です。

それがあればムチを打たなくても、ちょっとしたフィードバックで引き締めたり、くじけそうになったら励ましたり、やる気を高めることはいくらでも可能です。それがその人の成長にもつながります。

というわけで、ダメ出しばかりじゃ人は育ちませんし、褒めればいいってもんじゃないわけです。

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