部下を叱るときは、子ども扱いをせず、大人として対応すべし

小学校4年生の時のことです。自分の父親よりも年上で、ちょっと怖い感じの男の先生が担任になりました。1年生から3年生まではずっと女の先生だったので、男の先生は初めて。しかもそれなりの年齢で、ちょっと怖い感じ。ドキドキでした。

でも、実際は面白いし、普通は優しいし、とてもいい先生でした。怒ったときは怖かったですけど。

さて、その先生は、私たちに毎日漢字と算数のドリルと日記の宿題をやらせました。漢字は国語の教科書の新しく習う漢字を3回ずつ書く。毎日漢字ノート1ページ分。算数のドリルは、好きなところを好きな分だけやって、自分で答え合わせして、それを提出する。日記は普通のノートに書きたい分だけ書く。たくさん書くことがあるときはたくさん書けばいいし、あんまり書くことがない日は3行でもOK。

で、それを毎朝、決められた場所に、やってきたところを開いて提出。すると先生は帰りまでに丸を書いてくれたり、コメントを書いてくれたりして返してくれるのです。

提出しないからといって怒られることはありませんでしたが、先生によく思われようという気持ちがあるので、毎日必ず提出しました。特に日記は、その日の内容に合わせたコメントを書いてくれるので、いろいろと書いたように思います。

でも、何せ小学校4年の子どもです。サボりたくなったりするんです。特に、夏休み。この課題は夏休みの間もやり続けて、それを夏休み明けに提出するんですが、提出が先だと、ついついサボっちゃうですよね。でも、夏休み明けには提出しなければいけないので、8月後半はラストスパート、追い込みです。日記を何日分も書き、漢字のドリルも手が痛くなるまで書き、そんな日は、算数のドリルはなるべく簡単なところで済ませ、それでも何とか毎日やったことにするよう頑張るのです。

そして、それを夏休み明けに提出します。

まあ、ほとんどの子供たちは、私と同じように新学期直前に猛烈な追い込みをかけています。先生にはばれないだろうと思ってるんです。かわいいもんですね。

でも、先生はお見通し。

で、それを私たちに指摘するんですが、どんな風に指摘すると思いますか?

「日記は毎日書かなきゃダメじゃないか!見れば分かるぞ!」と厳しく叱る。

そういうパターンもあるかもしれません。

でも、この先生は、そんな言い方はしませんでした。叱らないんです。こういうときは。

でも、何もいわないわけじゃないんです。言うべきことはちゃんと言うんです。

どんな言い方をするかというとこんな感じです。

「漢字を何日分もまとめて書くと、だんだん字が雑になってくるから分かるんだぞ」
「日記もまとめて書くから、短い日記ばかりになる。それに字が同じような字なんだよな」
「算数のドリルも、簡単な問題ばかりになって、まとめてやってるなって分かるんだよ」

そんなことをいいながら、こういいます。

「まとめてやって、雑になったんじゃ、意味がないんだよな」
「毎日訓練するから身につくものなんだ。それをまとめてやったら意味がないよな」
「形だけやったようにみせても、損するのはみんななんだぞ」

叱るんじゃないんです。諭すように話すんです。今思えば、子ども相手に話している感じじゃないですよね。

するとどうなるか。

「ああ、いけないコトしちゃったな」って反省するんです。
「ちゃんとやんなきゃいけないな」って反省するんです。
先生の言っていることが、心にしみるんです。

で、次の日から、これまで以上に漢字をていねいに、しっかり心を込めて書きます。算数のドリルも易しい問題ばかりじゃなく、ちょっと難しい問題にも取り組みます。日記もその日によって違うとはいえ、じっくりと考えて書きます。

これを、もし、頭ごなしにしかり飛ばしたらどうなるでしょう?

結果としては、同じようになるかもしれません。怒られちゃったので、毎日きちんとやるようになると思います。ただ、それは、ばれないようにやっておこう、もう怒られないようにしようという気持ちからなので、本当にきちんとやろうと心を入れ替えたのとは違います。怒られないように、取り繕うだけです。

もう一つ違うのは、先生に対する気持ちです。

厳しくしかり飛ばす先生だとしたらどうなるか。先生のことを怖い先生だと思い、怒られないようにいわれたことはきちんとやるでしょう。でも、それだけ。いうことは聞くでしょうが、それ以上でもそれ以下でもありません。怒られるからいうことを聞くのであって、それ以上のことはないんです。

では、この先生のように、小学校4年生の子どもに対しても子ども扱いせず、頭ごなしに叱ったりしないとどうなるでしょう。

自分を大人扱いしてくれた先生を尊敬します。信頼します。怖いから先生のいうことをきくのではなく、尊敬しているからその先生のいうことをきくようになります。

さらには、いわれたことだけをやるのではなく、いわれたこと以上のことをやろうとします。

表面的には、いずれの場合もきちんとやるようになるので、あまり違いはありません。でも、長い目で見て成果を生むのはどちらかといえば、決まっています。心の底からきちんとやっている場合は、それが身になっていきますが、そうじゃないととりあえずやっただけで身になりません。長い目で見るととてつもなく大きな差になるでしょう。

私たちは、厳しく、激しく叱れば、相手の心に強い影響を与えられると思いがちです。それがよい方向に向かうと考えがちです。

でも、違うんです。激しく叱れば、相手の心に強いインパクトを与えることはできるでしょう。でも、それが成果を生み出すことにつながるとは限りません。相手の成長につながるとも限りません。

むしろ、優しく、諭すように、きちんと説明した方が、相手の心に強い影響を与えることができるんです。素直に聞き入れてくれるようにもなるんです。

大切なのは、相手を子ども扱いしないこと。

こちらが相手を大人として扱えば、相手も大人の対応をしてくれます。少なくとも、そういう対応をしようとします。

子ども扱いせず、大人として扱えば、自分から改めよう、自分から何とかしようという気持ちが生まれるんです。すぐにそうなるかどうかは分かりません。少しずつかもしれませんが、そうなっていくんです。

それなのにねぇ。。。

どうしてまた。。。

もう、やめた方がいいと思いますよ。。。

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