覆面リサーチ ボス潜入 ~ トップが現場に足を運ぶときは、変装しなければいけないのか?

「覆面リサーチ ボス潜入」というNHKの番組があります。

企業のトップが、自社のリアルな現状を把握するために、店舗や工場、製造などの現場に潜入するという番組です。そのままの姿で行くと現場が萎縮したり、本音が出ないので、変装して別人になりますして潜入します。そして、後日、「実はあのときの○○は私だったんです。本当は社長です」と種明かし。

社員は絶句!

社長は「頑張っている○○さんのために、こうします」と問題解決の提案。

苦労が報われてよかったねぇという安堵感と、変装が分かったときの社員の驚き方がほほえましく、ビジネスを扱っていながら、堅苦しくなく、楽しんでみられる番組です。

バラエティ的に面白いのは、変装している社長に対して、現場の社員が遠慮なく指導したり、注意したりするところ。

「もう少し早く!」「これじゃバラバラだから、もっと揃えて!」「全然ダメ、やり直し!」

新人を教育するのとまったく同じノリで、下手すると、物覚えが悪いなぁといらだちながら指導したりします。事情を分かっている視聴者としては、「そんなこと言っていいの?相手は社長だぞ!」とドキドキハラハラ。

それが最後に、「実はあのときの○○は、私だったんです」と種明かしをするものですから、指導していた社員は絶句。冷や汗たらたらです。そこがバラエティ的には面白いところ。

コンサルティング的に学べるのは、「現場の声が大事、現場が一番」などといっていても、なかなか現場の声が活かされることは少ない。でも、トップの目にとまれば、すぐに解決してしまうことも多いということ。

「工場の設備の配置を工夫するともっと作業がしやすくなる」
「ピザの配達は自転車でやっているけど、バイクがあればもっと効率的に配達できる」

分かっていても、設備の配置を変えることもできないし、バイクも導入できない。日々の仕事の忙しさからか、何とか変えようという努力もしないし、そういう悩み、問題を解決しようという上司もいない。

「○○だったらいいけど、現実はそうはいかないんだよね」

そんな風にあきらめているとでもいうのでしょうか。よくあることですが、結局何も変わらない。

でも、改革しようという意思を持ったトップが、そういう現状を認識すれば、即座に変わる。

経営の面白さ、怖さがここにあるよなと思います。

で、もう一つ思うことが、トップが現場に行くときは変装しなきゃいけないのかってこと。

もちろん、そのまま行ってもいいんですけど、そのまま行くと、遠慮しちゃうとか、萎縮しちゃうとか、とにかく本音が言えない。現場の悩みを伝えられない。逆に言えば、本当の現場を見たり、聞いたりすることが出来ない。

リアルな現場を見て、働く人たちの本音を聞くには、変装しなきゃいけないのか。。。

確かに、トップが現場に行っても、ただ迷惑なだけという話も聞きます。中間管理職が、下手なことを社長に見せられないと、何も問題ないような報告をしたり、そのように見せかけたりする。現場の社員は、そのときだけ何か特別な対応をしたり、気を遣うだけで何もいいことはない。そんな話もあります。

やはり、リアルな現場を見たり、悩みを聞いたりするのには、お忍びというか、身分を明かさずに行かなければいけないのでしょうか。

確かに昔から、将軍なのに貧乏旗本の三男坊・徳田新之助になったり(暴れん坊将軍)、前の副将軍なのに越後のちりめん問屋の隠居になったり(水戸黄門)、身分を隠して庶民の声を聞き、最後は身分を明かして悪を懲らしめるというパターンがよくあるようです。ま、これはフィクションですが。

確かに、これはこれで悪くはないのかもしれません。でも、そうはいっても、目指すべきはこうじゃない気がします。

トップと現場ですから、ある程度の遠慮や緊張感は仕方がありません。会う機会もそんなにあるわけではないので、距離感があっても仕方がないでしょう。それでも、ある程度は本音で話をしてもらえるような関係になれることを目指すべきです。

そのためには、日頃から気軽に話ができる空気をつくっておく必要があります。

「いつも現場のために何かしようとしている」姿勢を見せる必要があります。

上から現場に指示・命令をするのではなく、現場をサポートし、支援しようとしていることを理解してもらう必要があります。

そうすれば、わざわざ変装をしたり、貧乏旗本の三男坊になったりしなくても、リアルな姿を見、悩みを聞けるようになると思います。

悪い情報、改善しなければいけない情報なども、トップに伝わりやすくなるでしょう。

風通しがよく、働きやすい会社になると思います。

社員一人ひとりが働きがいを持って働き、少しずつでも進化していく、いい会社になると思います。

だから、変装しなくても本音で話せる関係を目指すべきなのです!

もっとも、バラエティ的には、身分を隠しておく方が面白いですけどね。

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