便利な時代 ~ でも不便なものにも魅力がある

音楽好き人間である私にとって、30センチの大きなレコードを買うことは、中学・高校の頃のあこがれでした。ちょっとお小遣いをためれば買えないこともないんですけど、それでもホイホイ買えるものでもありません。どうしても欲しいものだけは自分で買って、あとはエアチェック。レンタルもまだありませんでしたから。

ですから、時々買うと、気分が高まるんです。30センチですから、鞄の中に入るわけもなく、レコード専用の袋に入れてもらって、ちょっと自慢げに持ち帰るんです。「アルバム買っちゃったぜ!」と得意になって帰るんです。

この気分は、CDを買っても味わえません。何なんでしょう。質感が違うというのでしょうか。その感覚は、世代を超えて共有できるものなのか、近年アナログレコードのファンが増えつつあるとも聞きます。

でも、主流はCDに移り、さらに今は配信。ダウンロード。ものの形がない。。。音はあるけど、物体はない。。。

まあ、便利な世の中です。欲しい!と思ったら、ダウンロード。即、手に入ります。店に買いに行く必要もないし、当然、店がオープンする時間を待つこともない。レジで並ぶこともない。欲しいものが即、手に入る。便利です。

しかも、アルバムだと、すべての曲が好きとは限らず、本当はいらない曲も一緒に買わなければいけません。たとえば、10曲入りなんだけど、1曲目と、3曲目と5,6,8曲だけでいいんだけどな~と思っても、10曲分全部買うわけです。でも今なら、好きな曲だけ買うことができます。便利です。

でも、私は未だにCD派です。アナログレコードは、聞く手間がかかるので、魅力は感じつつも買いません。ダウンロードもしますけど、それは自分にとってあまり重要ではないもの。ちょっと聞きたいな、ぐらいのものを配信で済ませます。大切なものは、今でもCDで買います。それほど多くはありませんけどね。

やっぱり、小さいながらもジャケットがあって、歌詞カードやライナーノーツがあると、ワクワクします。最近はネットで購入するので、まずは送られてきた封筒を開け、そのあとCDケースを包んでいるフィルムを開ける。そろそろとCDケースを抜いて、ケースをオープン。ライナーノーツを取り出して、さらっと見る。そしてCDを取り出して、パソコンへ。CDプレーヤーじゃないのがちょっと残念ですが、通常、iPhoneで聴いているので、取り込まないといけないんですよね。

少々手間がかかりますが、このプロセスが楽しいひととき。新しいCDを買って、どんな曲が入っているのかワクワクしながら聴く前の儀式。便利に手に入るよりも、少し手間のかかる方がワクワクするんです。

CDをわざわざ買って、パソコンに取り込んで、最終的にはiPhoneで聴くのなら、ダウンロードの方が手っ取り早い。届くのを待たなくていいし、封筒を開けなくてもいい。CDに傷がつかないように注意しながら取り出す必要もない。

損か得か。効率的かどうか。そういう判断基準だったら、ダウンロードでいいんです。

ちょっと不便でも、少々手間暇がかかっても、私はCDがいい。

何でも便利に、効率的になっている世の中です。

でも、こういうことって、他にも結構あるような気がします。

早くて、安くて、そこそこ美味しいファストフードがここまで広まってくると、ゆっくり、のんびり楽しめる飲食店がいいと思ったりすることがあります。

安くて、高機能な電化製品。どれもが満足のいく機能を持ってくると、機能よりもデザインや質感に惹かれます。何となくかわいいとか、愛着がわくとか、電化製品の本来の機能とは関係ないところに魅力を感じて購入したりします。

私はコーヒー好きですが、美味しいコーヒーが自動的にぱっとできるものが欲しいと思いつつ、豆をひいて、お湯を沸かして、じっくりと入れるコーヒーはもっと美味しいような気がしてしまいます。

現代は、ものがあふれている時代です。売り手は、そういう消費者の心理をうまく捉えないといけません。そのためには、少しスローダウンして、人生を楽しむ余裕を持つことが重要ではないでしょうか。

現実的には、忙しい毎日を送って、効率よく仕事して、てきぱきと短時間で片付けて、、、となるのは仕方のないところ。それでも、日々のほんのひとときだけでも、何かゆとりを持つ時間を作る。自分の趣味を楽しむ時間を作る。現実から離れる時間を作る。

そういう時間がすごく大切な気がします。

幸せで豊かな人生という個人の視点でもそうですし、仕事に生かせるという意味でも大事。

一石二鳥、一挙両得、一粒で2度美味しい、ですね!

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