コンサルティングの恐ろしさ

この仕事の恐いところは、当たり前ですが、その企業に大きな影響を与えてしまうことです。

何をやるにも、最終的な判断は経営者が下すわけですが、それでも、私たちに責任がないとはいえません。何かリスクがあるのであれば、そのリスクをあらかじめ知らせておくべきだし、できるだけリスクを減らすように心配りすることも大切です。

私たちが何かに携わるということは、必ず、その企業に変化が起こります。起こるというか、起こすために私たちが活動するわけです。そうすると、必ず軋轢が生じます。内容によっては、大したことではないかも知れませんが、場合によっては、かなり大きな影響を及ぼします。

一番多いのは、社員の退職でしょう。

会社が変われば、退職しようと思う人が出る可能性はあります。今のままでいいのに、何で変わらなければいけないのか。だったら、別の会社で働こう。そう思う人がいても仕方がない面もあります。

ただ、誤解や、ちょっとしたすれ違いで貴重な戦力を退職させてしまうのは、本意ではありません。ですから、できるだけの配慮をしなければなりません。それでも、退職者が出るケースは少なくありません。

独立して最初の仕事でもそうでした。

それは、ある歯科医院のコンサルティングです。

やっと受注できた仕事だったので、気合いも入っていましたし、うれしさから張り切ってやっていました。でも、退職者が出る可能性があることに配慮が足りませんでした。

その医院は、ドクターが1人、常勤の歯科衛生士2人、パートタイムの歯科衛生士が1人という構成でした。そのうちの、常勤の歯科衛生士2人が同時に辞めてしまったのです。

ドクターは、私を責めませんでした。

でも、2人が辞めたのは、明らかに私が仕事を始めたからです。私のアドバイスを聞いたドクターが、2人にあることをいってしまったのが、直接のきっかけです。私は、不用意にドクターにアドバイスをしました。

そういうことをいえば、ひょっとすると退職してしまう可能性があることを、お伝えしませんでした。

そういうリスクがあるから、いうときは十分注意して欲しいということもお伝えしていませんでした。

まさか、すぐにいわないと思ったからということもありますが、いずれにしても、私の配慮が足りませんでした。

その後、新しいスタッフを雇いましたが、そのスタッフがとてもよかったので、結果的には問題ありませんでした。ただ、私としては、やはり悔やまれます。

ドクターは、言ってくれました。

「いや、これでよかった。入れ替わってくれた方がよかったんですよ」と。

でも、そのとき、不用意な言動は慎まなければいけないと肝に銘じました。なぜなら、このことは、独立する前にも経験していましたし、よくあることだからです。そして、場合によっては、重大な影響を及ぼすからです。それなのに、きちんとした配慮ができていないのは大問題です。

たとえ、どんなに配慮しても、退職者が出るときは出ます。そうならないように、十分に注意していますが、それでもそうなってしまうことがあります。開き直っているわけではありませんが、そのぐらいのことなので、常に、本当に、細心の注意を払っているということです。

細かいことをいえば、これ以外にも、いろいろなことがあります。

自分で考えているよりも、相手に与える影響が大きいことも、しばしばあります。細心の注意を払って発言し、行動しなければならないのです。軽々しく、思いつきで何かをするわけにはいかないのです。

「最終的には経営者の責任だから、そこまで考える必要はない。もう少し気楽にやったら」と言われたこともあります。もちろん、私たちが最終的な責任を負うと考えるのは、少しおこがましいし、出過ぎているかもしれません。ただ、だからといって無責任になっていいというものでないことは、言うまでもありません。

この仕事を始めた当初は、この仕事の怖さは分かりませんでした。いくつかの失敗、経験を積み重ねて、だんだんと身に染みてきたのです。

どんな仕事もそうですが、端で見ているほど簡単ではありません。

気軽にやることは、くれぐれもやめて頂きたい。

そう思う今日この頃です。

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