何が正しいのか
この仕事をしていて悩むこと。
そりゃ、いろいろ悩むんですが、一番の悩みは、経営者の方と考えが違うときです。
もちろん、まったく同じ考えということもありませんし、考えが違うからこそ意味があるということもあります。どちらが正しいというものでもないし、うまく融合させて、よりよいものをつくっていけばいいのです。
悩むときというのは、なかなか融合できそうにないときです。
経営者の方は、当然、自分の考えに自信を持っています。これまでの経緯もよく分かっていますし、その事業における経験も豊富ですし、社員一人ひとりのこともよく分かっています。だから、自分の考えに自信を持つことはもっともなことです。
一方、私は、経営者の方ほど、その会社のことが分かりません。事業内容についても経営者ほど詳しくないケースがほとんどです。社員一人ひとりのことも、それほどよく知っているわけではありません。それでも、私は私で、自分の考えに自信があります。
いろいろな組織を見てくると、ある程度見たところで、大体類推できるようになるからです。
ケーススタディというんでしょうか。
こういう組織構造ならとか、こういう事業内容ならとか、こういう人がいるとしたらとか、社長の性格ならとか、いろいろな要素を組み合わせて考えていくと、ある程度見極められるのです。現場で見た情報と、他社で見た情報、経営の原理原則などを組み合わせると、全体像ができてくるのです。
また、うまくいっているケースには、本質的な共通点があります。表面的には全然違っていても、掘り下げて本質を見ると、意外に似ていることが多いのです。ですから、あるべき姿というのも絞られてきます。
そうすると、たとえ、経営者の方よりその会社のことを知らないとしても、自分の考えに自信を持ってしまったりするわけです。
もちろん、自信過剰になってはいけないと思っています。思い上がると失敗します。絶対に自分が正しいなどというつもりもありません。でも、だからといって、自分の考えに自信のないコンサルタントも困ったものです。ですから、これだ!と確信を持てるまでは、安易に意見はいいません。
ただ、そのような状態になってから意見が食い違うと、とても悩むのです。
最終的には経営者がすべての責任を負うわけで、経営者の判断にゆだねるしかありません。
でも、こちらも自分の考えには自信があるわけですから、そう簡単に妥協するわけにもいきません。とはいっても、経営者も最終的には自分で判断するしかないですから、こちらが折れるしかないでしょう。
ただ、そうはいっても、こちらが正しいと考えることも、確実に伝えるべきです。もちろん、それを受け入れるかどうかは、相手次第。
それで関係が終わることになったとしても、正しいと思ったことは伝えるべきでしょう。
それで決裂するとしたら、それはそういう運命だったということ。
やるしかないですね。
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