絞り込むことのメリット

よく言われることですが、ターゲットを絞ることは、とても大切です。多くの人が分かっているはずなのですが、その通り実行している人は以外に少ないようです。

分かっていてもできていないのは、絞り込むことが、可能性を切り捨てるように思えるので、とても勇気がいることだからでしょう。でも、うまくいっている企業を見ると、きちんと絞り込みができています。

絞り込みができていると、何がいいのでしょうか?

まず、絞り込みができていると、その企業に対するイメージが明確になります。明確なイメージがあると、あとから思い出しやすくなります。そして、それが積み重なっていくと、「○○なら□△」というように、すぐにイメージしてもらえるようになるわけです。そのような状態になれば、顧客がその商品・サービスを必要になったときに、真っ先に頭に浮かび、購買行動につながるというわけです。

もちろん、絞り込めばそれでいいというわけではありません。絞り込んだ市場で十分にビジネスが成立しなければなりませんし、同じ土俵に強力なライバルがいないことも重要です。いくらいい市場であっても、競合に強い企業があれば、ビジネスは難しくなります。

競合には負けないという強い気持ちも大切でしょうが、最初から、競合しないポジションを見つけることはもっと重要です。自ら進んで、わざわざライバルと戦う必要はないからです。

また、その絞り込み方も、中途半端ではいけません。絞り込みが中途半端だと、結局、何の企業なのかが不明確になるからです。

たとえば、町の酒屋さんは、以前から厳しい状況におかれています。普通の酒屋ではやっていけないので、ワイン専門店に転換したなどという事例もあります。

確かに、ワインだけに絞れば、小さな店舗面積でも豊富な品揃えが実現します。ちょっと珍しいワインを取りそろえたり、顧客が商品を選択することをサポートしたりすれば、ワイン専門店として魅力的な店にすることが可能です。

ところが、実際にやるとなると、これは結構勇気がいることです。なぜなら、「やっぱり、ビールを買う客が多いから」「せっかくなら日本酒も売りたいし」「いやぁ、焼酎だって」などと思うようになり、絞り込んでしまうことのリスクを考えるようになるからです。いくら、理論的にはうまくいくと分かっていても、どうしてもリスクの方に目がいってしまうものです。

ただし、そうやって中途半端なことをすると、店舗の魅力は向上しません。自分が買い物するときのことを思い浮かべれば分かるのですが、とりあえず一通りの商品が揃っているだけの酒屋は、あまり魅力がありません。たとえば、ビールなどを買うのなら、ディスカウントストアでまとめて買ってしまった方がよいでしょう。ビールに限らず、どこでも売っているような商品なら、少しでも安く買おうと思うのが人の常。結局、あれもこれもと揃えておくだけでは、魅力的な店にはなれないのです。

そこで、ワインならワインに絞り込んで、ワインならどんなものでもあるというような、マニアックな品揃えを実現し、あまり知られていないが、安くておいしいものを取りそろえたり、選択のアドバイスをするなどという付加価値を高くして、店舗の魅力を高めるわけです。

そうすると、「ワインならあの店」というように、顧客の心の中に入り込むことができます。こうやって、ブランド力ができてくるわけです。

ただし、ビジネスが成立するからというだけで絞り込むと、うまくいかない可能性もあります。たとえば、上記のワイン専門店の例でいえば、自分がワインが好きでなければ、少し考えた方がいいかも知れません。

ブランド力を作るためには、自分自身もその商品の愛好家である方が、その魅力を伝えやすくなります。自然と商品知識も豊富になるでしょうし、愛好家ならではの思い入れが、共感を呼ぶことも多いからです。

ビジネスですから、「売るためならワインの知識だって覚えるよ」という方もいらっしゃるでしょうが、ビジネスのために覚える知識と、好きだから覚える知識では、知識量に差ができても仕方のないことです。伝えるときの熱の入り方も変わってくるでしょう。

ですから、絞り込むときには、ビジネスで成り立つことと同時に、自分が好きなことも重要な要素になってくるのです。

もちろん、好きなだけでもダメです。いろいろと考える必要がありそうです。

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