お客様を選ぶ
最近、よく思うことは、お客様はしっかりと選んだ方がよいということです。
そんなことを書くと、「お客様を選ぶなんてとんでもない」と怒られてしまいそうです。
「お客様を選ぶんじゃなくて、お客様から選ばれるんだろうが!」
そう思われる方もいらっしゃるでしょう。確かに、そういう一面もあるのですが、それでも、やっぱりお客様は選ぶべきだと考えてしまいます。
なぜか。
それは、お客様との相性で、仕事の質が左右されるからです。
たとえば、社員研修。
参加者たちが、熱心に話を聞いてくれ、熱心に演習に参加してくれれば、自然にこちらにも熱が入ります。気がつけば、予定以上に濃い内容になっていることもあります。その反対に、白けきった雰囲気だと、こちらも白けてしまいます。白けてしまい、最低限のことはやりますが、それだけで終わってしまいます。
もちろん、その場の雰囲気が白けきっているとか、乗っていない場合には、盛り上がるように努力をします。ただ、結果として盛り上がったとしても、限られた時間の一部は、盛り上げるために費やされてしまっているわけです。最初から、いい雰囲気でやれるに越したことはありません。
コンサルティングも同じです。
経営者との信頼関係が、コンサルティングの質を左右します。クライアントから信頼されれば、それに応えようと力が入ります。反対に、どうも信頼されていないと感じると、力も抜けてしまいます。
もちろん、そんなことではいけないと、力を入れようとは思いますが、努力しても空回り。どうもギクシャクして、なかなかすんなりと進展しません。
また、違った観点からいうと、お客様を選ばないと自社のイメージが崩れることもあります。
たとえば、落ち着いた雰囲気で、静かに食事を楽しめる店。価格は高めでも、雰囲気の良さと味の良さで人気。顧客層は、30歳代以上で、大人が集まる店があったとしましょう。
そのような店に、大学生の集団がやってきて、ワイワイガヤガヤ。
大学生だってお金を払うのですから、立派なお客です。もちろん、来店を拒否することはできないでしょう。でも、大騒ぎしているのを見逃してしまえば、既存のお客様が離れていきます。その店の良さが失われていくからです。
このように、お客様が自社のイメージを作り上げる重要な要素になっているのです。自社のサービス品質を左右することにもなるのです。
「誰でもいいから、お客さんを増やしたい」
その気持ちは分かりますが、じっくりと検討する必要があります。特に、自社のブランド構築を目指すのであれば、短期的な視点だけではなく、中長期的な視点を持って判断をしていかなければなりません。
自社の価値を高めるお客様は誰なのか。
そのお客様に選ばれるためには、どうあるべきなのか。
思いつきではなく、緻密に計算して、作り上げていくことが大切です。
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