ブランド力を高める仕組みづくり
目先の売上は大切です。売上がなければ、家賃や人件費などを支払うことができません。そもそも、売上がないということは事業をやっている意味がないということにもなります。
従って、目先の売上は非常に大切です。
しかし。
大切なものだからといって、そこばかりに目がいってしまうと、それもまた問題です。短期で見た場合の最適と、中長期的に見た場合の最適は、異なることが多いからです。
ブランドづくりは、短期的な視点でとらえると、意味がなくなります。そもそも、ブランドというものは一朝一夕でできるものではなく、日々の積み重ねがあってできるものだからです。
よい商品を作ったから、よいサービスを提供したから、それだけでは、ブランドにはなりません。それをやり続けていかなければ、ブランドにはならないのです。
目先の売上が欲しい!
こう考えると、とにかく売上を上げることを考えます。当たり前ですね。すると、自然にブランドづくりという観点は消えていきます。たいていの場合、人間の頭は、どこかに集中すれば、それ以外のことはお留守になるものです。
あまりにも売上を意識しすぎると、せっかく築き上げてきたブランド・イメージが崩れます。
たとえば。
ちょっと値段は高いけど、すごくおいしいケーキの店だとしましょう。固定ファンもついて、売上も順調。ところが、最近、ライバルが出現し、売上が減少気味。何とかしなきゃと思って、一生懸命、販促に励みます。
販促といえば、割引。おまけ。
目先の売上ほしさに、ついついやってしまいます。
すると・・・
「ちょっと値段は高いけど、すごくおいしいケーキの店」というイメージが崩れます。
「ちょっと値段は高いけど」というところを、「お手軽な値段」にすれば、誰もが喜びそうです。確かに、同じものを手に入れるのなら、安く済む方がありがたい。ただ、値段が安くなると、品質もそれに比例して落ちてきたようなイメージを持ってしまうことも事実です。
品質は、変わっていないとしてもです。
目先の売上が欲しいからといって、値段を下げると、品質イメージもダウンする可能性があるわけです。
すると、ますます売れなくなる。
焦って、安売りする。
もっともっと、売れなくなる。
さらに焦って、大安売り・・・
こんな悪循環が起こります。
そうならないためには、日頃から、自社のビジネスの仕組みを組み立てて置くことが大切。どんな価値を提供していて、どんなイメージがあって、どこから利益が出てくるのか。
常に、それを意識しておけば、目先の売上が欲しくても、大きく崩れないような解決策を見つけられると思います。
きちんとした仕組みがあれば、その会社、その店なりのブランドが築き上げられるはずです。
中長期的な視点も、忘れてはいけないということですね。
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