「Doctors ~ 最強の名医」の病院改革

「家政婦のミタ」に引き続き、ドラマネタでいきたいと思います。
もう終わっちゃったのですが、テレビ朝日で、「Doctors ~ 最強の名医」というドラマをやっていました。
私は、たまたま11/3放送の第2回を途中から見たんです。そしたら、新しくやってきた相良浩介(沢村一樹)という医師が病院を改革していくというストーリーで、こういうストーリーについては、きちんと押さえなくてはいけないということで、それから見始めました。


見逃した第1回も、あんまり大きな声ではいえませんが、ネット上で探して見ました。
このドラマの中には、組織を変えていくためのポイントがいくつか潜んでいます。
一つは、まず始めに、自分の仲間、協力者を一人だけでもいいから見つけること。
それが皆川和枝(伊藤蘭)という内科医でした。相良は、他の病院に移ろうとする皆川に残ってもらえるように、こっそり転職話をダメにします。そして失業中の皆川医師に近づいて、復帰を勧める。
手段はどうかと思いますが、自分の味方になってくれるであろう人材を、まず最低一人は確保するという意味では、正しいことをやっています。
2つ目は、ある時点で、組織に揺さぶりをかけて、膿を出す。
医師に見下された看護師たちが反乱を起こすというような場面があるのですが、それをうまく活用して、医師に対しても、看護師に対しても揺さぶりをかける。揺さぶって、本音を出させて、自分たちは何のために仕事をしているのか気付かせる。
要は、医師と看護師は上下関係、上司と部下ではなく、お互いが違う役割を果たして、患者さんのために働くっていうことなんですが、それを自分がいうのではなくて、その場の他の誰かにいわせるようにし向けるんです。
正面突破しようとしても、なかなか意識は変わりませんが、ちょっと問題が起こって、感情的になって、本音を吐き出したあとは、意識が変わるチャンス。「雨降って地固まる」という言葉もありますが、そんな仕掛けを作り出しているんです。
3つ目は、自分が中心になるのではなく、別の人を中心に据える。
この相良という医師も腕はいいのですが、この病院には、院長の甥である医師が在籍しています。院長の甥ですから、病院内でも一目を置かれていて、良くも悪くもというか、悪い意味で中心になっています。そんな院長の甥に、難しい手術をチーム体制でやるときの執刀を任せるのです。
「チームをまとめられるのはあなたしかいない」と。
確かに、相良は、外様であり、周りの医師から見れば、突然やってきて勝手なことばかりやる面白くない存在です。そんな相良には、チームをまとめることは難しいでしょう。
難しい手術を任せるということは、花を持たせるという意味もあるでしょうし、信頼しているという証でもあります。腕はいいのに意識がなっていないというのが、院長の甥なので、改めて自覚を促すという意味でも効果的です。もっとも、それでパッといい関係にはなるわけではありませんが、相良自身が執刀するよりは、組織を一つにまとめられるやり方です。
そして4つ目は、自分のガンの手術を、院長の甥に任せたこと。
ガンが分かったのは、昔いた病院での検査でした。その病院で手術を受けることも可能だったのですが、あえて、今の病院を選択します。自分の命を預けることで、この病院を、この病院の医師を、スタッフを信頼していることを身をもって示すということです。その覚悟がなければ、組織を改革しようとしても、誰もついては来ないでしょう。
最後に、共通の敵を作ったこと。
あるとき、生体肝移植をやるかやらないかで、議論になります。相良はやるべきと考えますが、院長の甥は反対します。
院長の甥は、偉い先生が中心となっている何とか会に属しているのですが、そこで他のメンバーと、その偉い先生からバカにされます。「お前の力で病院がよくなったんじゃない」とか「お前の病院で、生体肝移植なんてできる訳ない」とか。
確かに、生体肝移植は難しい手術で、だからこそ、院長の甥もやめた方がいいという意見だったのです。でも、ここでバカにされて、プライドを傷つけられた院長の甥は、「よし、やってやる。見返してやる」と、俄然やる気になるわけです。
この出来事の前までは、「新参者の相良 vs 院長の甥」という病院内の対立構造ができていたのですが、ここで初めて、「相良、院長の甥を含めたそこの病院 vs 偉い先生の会」というように、敵が外部になります。共通の敵ができると、ちょっと仲の悪い間柄でも協力するようになるものです。
対立していた相良と院長の甥は、生体肝移植を成功させて、偉い先生を見返してやろうと協力するようになるわけです。
これはたまたまそうなったのではなく、相良が仕掛けている部分があります。どこで覚えたのか、この相良という医師は、組織を改革する術を知っているようです。
きりがないので、この辺で終わりにしておきますが、重要なポイントの一つは、今起こっている出来事をうまく利用することです。
自然の流れの中で、起こった出来事を、組織改革につながるようにうまく利用する。
起こっている出来事の中で、うまく役割分担を変えたり、これまでならやらなかったことにチャレンジするようし向けたり、ちょっとずつ変えていく。
そうすると、無理なく(といっても、各所で抵抗はあるのですが)組織を変えていくことができます。
仕掛けを作りすぎると、たぶん、どこかに無理が生じて、おかしくなります。
状況を的確に判断して、うまく仕掛けるのがポイントです。
その状況判断と仕掛け作りのセンスが、このドラマの主人公から学べるポイントです。
コンサルタント研修の題材にも使えるかなと思っています。
Rookiesも使えますが、違うものとして、これもいいですね。

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