若者たちに辞められない会社にするには
比較的小規模な会社であれば、社長。
中堅から大企業であれば、自分の上司。
働いていく上で、無視することのできない重要な要素です。仮に、自分のやりたいことができる会社に就職できて、配属も希望通りだったとしても、そこの上司と相性が悪ければ、仕事をする上でよい環境だとはいえません。
それでも自分の上司であれば、つきあっていかなければなりません。多少理不尽なことがあろうが、我慢してつきあっていくでしょう。そうしなければ、会社の中で生きていかれないからです。
恐らく、最近の若者だって同じです。もしかすると、以前の若者の方が、少しは我慢強かったのかもしれません。今のように転職が当たり前でない時代、第2新卒なる言葉もない時代、そんなときには、一度就職したらそう簡単にはやめられないからです。
しかし。私は、今も昔もそれほど大きく変わっているとは思いません。もちろん、社会環境が変わっていますから、そこで生きている人たちの考え方、行動、気質は変化しているでしょう。でも、それは若者だけが変化しているのではなく、おじさん、おばさん、おじいちゃん、おばあちゃんも同じように変化しているはずです。
要するに、今のおじさん、おばさんは、30年前のおじさん、おばさんとは違うと思うのです。「最近の若者は・・・」などと、ちょっと年のいった人たちがいいますが、もっと年のいった人が見れば、「最近のおじさん、おばさんは・・・」ということだっていえると思うのです。
さて。
『若者はなぜ3年で辞めるのか?』という本が話題になっていたりします。この本については、率直にいうと、あまりお勧めできるものではありません。なぜなら、この著者の他の本もそうですが、やや偏りがあるからです。ただ、多くの若者が辞めてしまうという現実については、いろいろと考えなければならないことが多いと思います。
辞める理由というのは、当たり前ですが、一言ですませられるものではありません。その人によって状況も違いますから、いろいろな理由があります。そのすべてを防ぐことはできないでしょう。
でも、会社の立場からすれば、やる気のある人材、能力の高い人材、素養のある人材、将来性のある人材・・・そういった人材に辞められてしまっては大きな損失です。そういった人たちに辞められないためにはどうしたらよいか。
一つは、やりがいのある仕事、チャレンジできる場を整えることです。会社側が残ってほしい人は、当たり前ですが、意欲的で、仕事もできる人のはずです。その意欲をそぐようなことをしたら、辞められてしまいます。
そのとき、妙に社員は皆平等であるというような意識を持つと、失敗することが多いようです。要するに、その人の同期の人間に気を遣うとか、先輩に気を遣うとか。
チャンスが与えられない人の士気は下がるでしょうが、どこに重点を置くことが大切なのかを見極める必要があります。もっとも意欲を見せている人、もっとも成果を挙げられそうな人、そこに重点を置かなければ、企業の経営はうまくいきません。
チャンスを与えられない人に対しては、上司などがフォローする必要はあるかもしれませんが、そこに遠慮して、優秀な人材から仕事の機会を奪うべきではありません。
もっとも、入社間もない若者たちの場合には、今のような話は当てはまらないことも多いでしょう。まだ、そのようなチャンスを与えるステージには来ていないからです。
それでも、「この会社では自分のやりたいことができない」と辞めていく人は、辞める方にも問題があります。どんなことであっても、やりたいことをやるためには、周囲の人間との信頼関係とか、自分の実力を磨くこととか、経験の蓄積が必要なことは明白です。それにもかかわらず、そんな短期間で辞めていく若者たちは、思慮が浅いと言わざるを得ないでしょう。
しかしながら、本当に若者の問題だけなのか。自社には問題はないのか。それは、しっかりと振り返る必要があります。
たとえば。
その上司は、若者にとって目標とすべき人材なのか。
もちろん、人によって目標とするべき人材は違うでしょう。ですから、一概にいえないことは分かっています。それでも、あえていってしまえば、意欲的な若者なら、自分の上司も、目標を持ってチャレンジしていく人であって欲しいと思うのではないでしょうか。
「何年か後には、○○課長のようになりたい」
そう思わせるような上司であれば、若者もそう簡単には辞めないでしょう。
では、そのように思わせる上司を育てるのはどうしたらよいのか。
これは以前にも書きましたが、そのまた上司が、目標となる上司でなければならないということです。
結局。
すべての人間の上司である社長が、社員全員から目標とされるような、格好のよい人材になっていなければならないのです。
社長は、絶対的な権力を持っています。でも、その権力がなくても、社員がついてくるような社長。
そんな社長になるべきです!
(そりゃそうだが、なるのは難しい・・・)
私も、そのような社長だったら、積極的に応援したくなります。
そして、私もそのような社長を目指します!!
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