株主重視か従業員重視か
最近、市場原理が行き過ぎたとかで、再び従業員重視になりつつあるなどという記事がありました。
理屈っぽいことをいえば、私は、株主重視も従業員重視も、結局は同じことになるはずだと思います。その企業が成長・発展していくことは、株主にとっても従業員にとってもメリットになるからです。
本当に、企業を成長させようと思うのなら、どちらかを重視するというのはナンセンスな気がします。
たとえば、従業員を搾取して利益を出したとすれば、短期的にはいいでしょうが、長期的に見れば、その会社では問題が起こるでしょう。不正が発覚したり、内部での混乱が起こるでしょう。その対応にエネルギーが奪われれば、ライバル会社との競争に負けてしまいます。
結局、株主の利益になりません。
結局、株主重視か、従業員重視かというのは、短期的な利益を重視するか、長期的な利益を重視するかということをいっているように思います。
両者は、厳密にいえば、そのときどきでどちらかを重視することになるのかもしれません。でも、どちらか一方でいいなんてことはあり得ません。短期的な利益がなければ、長期的な利益だってありません。長期的な利益を無視して、短期的な利益ばかりを追い求めれば、結局、あとで困ることになります。
ですから、結局は、どちらかに偏りすぎるなということだと思うのです。そのときの状況を見て、今の利益は少な目でもいいから、長期的な利益のために何かを育てるとか、ここ数ヶ月は、短期的な利益を求めて、財務状況を安定させようとか、短期も長期も見据えてバランスをとるということだと思うのです。
それを、株主重視か従業員重視かという議論にすり替えると、話がややこしくなるように思います。
それと、株主についても、短期的な保有者なのか、中長期的な保有者なのかも分けて考えなければならないでしょう。よくいわれることですが、マネーゲームなのか投資なのか、それも重要だと思います。
もっとも、マネーゲームの投資だろうが何だろうが、投資は投資だという方もいるでしょうが。。。
とにかく、どこかに偏りが生じれば、歪みが生じます。そして、ある程度まで行くと、何かが崩壊します。でも、だからといって、その逆に振れすぎると、これまた歪みが生じて、同じように崩壊します。
きれい事、絵空事と思われるかもしれませんが、すべての利害関係者の利益を考えて、全体を調和させることが大切だと思います。
みんながハッピーでなければ、長続きしないと思います。
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