企業の本当の強みとは
経営戦略の教科書によれば、今おかれている環境を分析し、機会を捉え、脅威を回避することが大事だといいます。
まあ、そりゃそうですが、その通りできれば誰も苦労はしません。
まず、何が機会なのか?
これからは、介護や医療、教育などが成長産業です。。。そんなことがいわれますが、規制の問題は別として、かつ、これが本当だとして、じゃあ、これらの分野に参入するのが得策なのか。。。
単純に考えれば、成長産業は機会です。大きなチャンスがあります。
でも、それは他社にとっても同じこと。さらには、大企業にとっても魅力的な市場であれば、普通にやっていたのでは淘汰されます。ちっとも機会ではありません。むしろ脅威かもしれないのです。
いや、いち早く参入して、強固なポジションを築いておけばいい!
確かにその通りです。しかしながら、ある程度のシェアを確保していながら、大手の攻勢にあって淘汰されてしまうこともあります。たとえば、ブラウザのネットスケープナビゲーターなどは、その一例でしょう。
あとからやってくる大手企業などに負けないためには、何か特別なものがなくてはダメなのです。
もっとも、それは分かっていても簡単にできるものではありません。技術は真似されます。新しい技術を一から開発するよりも、他社の技術を真似して新しいものをつくる方が、少ない投資でできるといいます。そうすると、あとからやってくる大企業に負けるのです。
そのため、大企業が入ってこないニッチな分野でビジネスを展開することになるのでしょう。でも、そこはそこで、同じような企業が多数ひしめき合っていて、それはそれで競争は激しくなります。やはり、そこから抜け出すための何かが必要です。
結局、それは、技術でもあり、サービスでもあり、価格でもあり、総合的な価値を作り出す組織力だと思います。
どれか一つが優れていても、それだけなら他社が追随してきます。すべてがバランスよく、高いレベルを維持していれば、それはそう簡単には真似できません。もちろん、それを作り出すことも簡単にはできません。
つい先日も同じことを書きましたが、「本当にお客様のため」に、どれだけ徹底的にやるか。これに尽きると思います。
そのためには、経営理念があって、社員に伝えられていて、行動レベルまで浸透していること。
ビジョン・目標が明確で、社員が理解し、本気で実現しようと思うこと。
市場やライバルのことを踏まえた、自社が勝ち抜ける戦略があって、社員が実践していること。
そういう基本的なことが、確実に、しっかりと、徹底的にやれていることが大切だと思います。
実現するのは難しいですけどね。
でも、できないことはありません。
実際、私が知っている企業は、一歩一歩、わずかばかりかもしれませんが、前進していると思います。
そのわずかな前進が、気がつけば大きな差になる。
大きな差になると、「卓越した組織文化」として、他社が真似できない、本当の強みになっているのだと思います。
なぜなら、その会社が勝ち残るための行動を、社員全員ができているということだからです。文化になってしまえば、自然に新入社員も真似します。社長の考えが、自然に浸透していくということです。
そこまで行くのは大変ですし、完璧になることはありえませんが、ある程度までいくと、うまく回り始めるものだと思います。
それまでの辛抱が肝心ですね。
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