目的と施策の整合性がとれているか?

現実の例ではありませんが、話を分かりやすくするために、売上金額よりも、とにかく件数を増やすことを目標にしている会社があったとします。

売上金額の高い受注はそう頻繁にできるものでもなく、安定した売上を上げるためには、たとえ1件あたりの金額が少なくても、件数を重ねる方がいいからというのがその理由です。

社長や上司は、日頃から、

「コツコツと件数を重ねよう」「1件1件を大切にしよう」

そういうことを、口酸っぱく社員に伝えています。

一方で、この会社には営業担当へのインセンティブ制度があります。売上金額に応じて、一定の割合で営業担当者へ報酬が支払われるという仕組みです。

すると、どうなるか。

件数を重ねて、その結果として売上を上げて、たくさんの報酬をもらう社員も出てくるでしょう。

でも、件数を増やしても何のインセンティブもなく、売上だけにインセンティブがあるのですから、売上を上げることに注力する社員も出てきます。出てくるというか、ほとんどの社員は、件数よりも売上に意識が向かうはずです。

たとえ、日頃から上司や社長が、「コツコツと件数を」「1件1件を大切に」といっていたとしてもです。

口頭でのメッセージと施策では、施策の方が、ずっとずっと強い影響力を持ちます。それが定着すればするほど、影響力は大きくなります。明文化されている施策は、自分の身に確実に影響があるからです。

口頭でのメッセージは、守っても守らなくても、実益も実害もありません。せいぜい、褒めてもらえるか、怒られるかぐらいのものです。従って、どんなに口酸っぱく伝えていたとしても、施策の方が強いのです。そういう意味では、施策というのはものすごく強いメッセージでもあります。

この例でいえば、「売上金額が大切なんだよ」というメッセージになっているということです。

ですから、施策も含めて、あらゆるメッセージに一貫性を持たせて、整合性がとれるようにしなければいけません。

何、当たり前のことを書いているのか。。。

そう思われるかもしれません。でも、私の知っている限りでは、口頭でのメッセージ、施策、人事制度などの整合性がとれていないことが結構あります。当然、うまくいきません。どこかでぎくしゃくします。

経営者と社員では、もののとらえ方が違いますから、多少のすれ違いは仕方のないことです。

でも、それを当たり前のこととして放置せず、一つひとつに丁寧に対処していくことが大切だと思います。

そのような姿勢が、社員からの信頼につながるからです。

それが放置されているというのは、経営者も気づかないことがあるのだと思います。

今一度、よく確認してみてはいかがでしょうか。

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