チームワークは必要条件
チームワークというのは、チームワークをよくしようとしてよくするものではない。
そう思います。
少なくとも真のチームワークは、それを目的としてつくるものではありません。
つまり、プロ野球のチームなら、優勝、日本一を目指すという真剣な活動の中で、チームでの協同体制が必要になり、連携が必要になり、そしてチームワークが培われるということです。
会社でいえば、その会社が成し遂げようとしている目標、ビジョンがあって、それを実現する過程でできてくるのがチームワーク。組織の一体感。
チームワークをよくしようと、それを目的にするのは、何かが間違っているという気がしてなりません。
確かに、別の見方をすれば、ビジョンを実現するためには、組織全員が協力し、一丸となって取り組む必要があるので、チームワークをよくしたいという気持ちも分かります。
でも、それは見るべきところがずれています。
チームワークに意識が行き過ぎれば、ビジョンが実現しなくなる恐れもあります。
似たような話で、「社員満足」というものもあります。
「社員満足を第一に考えれば、自然に顧客満足も高まる」
そういう考え方もありますが、それは違います。
少なくとも、それだけでは十分ではありません。
「社員満足を第一に考えれば、自然に顧客満足も高まる」というのは、ある条件を満たした上での話で、本当に社員満足だけを考えているだけでは、顧客満足を高めることはできません。
確かに、社員が不満たらたら仕事していたら、顧客満足どころではないのは間違いありません。でも、社員を満足させることを目的にしたら、その目的は達成できるかもしれませんが、それ以外は達成できない可能性もあります。
極論すれば、「お客さんのいうこと聞いていると大変だから、適当に、楽にやってればいいよ」といえば、社員満足は高まるかもしれませんが、顧客満足は高まりません。
こんな極端な例を出すと、反論がしやすくなると思いますが、分かりやすくするためには、このぐらい極端な方がいいでしょう。
社員満足やチームワークは、ビジョンを実現するプロセスの中で培っていくものです。
その視点が欠けてしまったら、単なる仲良しクラブができあがるだけかもしれません。
繰り返しになりますが、ビジョンを実現するためには、良好なチームワークや社員満足は不可欠です。
でも、良好なチームワークや社員満足ができれば、ビジョンを実現できるとは限りません。
チームワークや社員満足は、必要条件であって、十分条件ではないのです。
目指すものではなく、あとからついてくるものだという気もします。
目指すのは、ビジョン。
目的を果たすためには手段を選ばない、というのもどうかと思いますが、社員満足だけを目指すのもおかしい。
社員あっての会社だという意識も大切だけど、社員満足だけを目指すのもおかしい。
企業のやってるのは、あくまでもビジネスですからね。
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