社員教育の考え方

昨日の共育講演会の話の続きです。
昨日は、顧客満足度日本一の店を作るためには、そこで働く社員が大切だということを書きました。
そのことについては、おそらく異論はないのではないかと思います。もちろん、社員以外はどうでもよいということではなく、扱っている商品や店舗施設が重要なことはいうまでもありません。ただ、いろいろ考えると、社員さえしっかりすれば、商品もよくなるし店舗施設もよくなるものなので、社員が重要だということです。
さて、ここで問題になるのは、重要なのは分かったとしても、どうしたらよいのかということでしょう。
普通考えられるのは、社員を徹底的に教育することで、研修などを実施することでしょう。しかしながら、研修というものは効果が目に見えず、役に立っているのかどうかが分からないものも多いものです。
なぜそうなるのかといえば、たいていの研修は、業務に直結するようなスキルを学ぶためのものではなく、もっとベースになるようなスキルを学ぶものだからです。
たとえば、新しいアイディアの発想方法とか、コミュニケーションの取り方とか、戦略的なものの考え方とか、リーダーシップとかマネジメントとか・・・


こういったものは、学んですぐに効果が出るというよりは、その後も考え続け、磨き続けることによって、業務に活かせるようになるものです。ところが、研修が終わって業務に戻ると、日々の忙しさの中で研修の内容はどこかに飛んでいってしまい、学んだことを磨くどころか、そのうち忘れてしまうのです。
そのため、社員教育はOJT(仕事の中で上司や先輩が教えていくこと)が重要だという考えを持つ方が多いようです。
私もそのことは否定しませんが、ここには危険も潜んでいます。仕事の中で教育をしていくということは、教える側がしっかりしていないと、きちんとした教育が行われなくなる恐れもあるからです。
組織の中でよく見られる光景として、ある部署に配属された新人は育つけれども、別の部署に配属された新人はちっとも育たないということがあります。言い換えれば、育てられる人がいるところは新人が育つけれども、すべての部署に育てられる人がいるというわけではないということです。ですから、OJTが重要だからといって、何でもその部署任せでは組織全体が強くなりません。
では、研修をやればいいのかというと、そういうわけでもありません。OJTでやるべきことと研修でやるべきことは別のものだからです。
ん~、では、一体どうしたらいいのでしょう?
まずは、経営者がどのようにしていきたいのかを明確にすることでしょう。当たり前過ぎることなのですが、意外に明確になっていないことが多いのです。
経営者の方とお話をしていると、個別の論点はたくさん出てきます。こんな風になって欲しい、あんな風になって欲しいという言葉はたくさん出てくるのです。ですから、頭の中には「こうなって欲しい」というイメージができているのでしょう。
でも、それが整理されている経営者の方は、あまりいらっしゃいません。私の経験では、経営者の方がいわれることをひたすら聞いて、「ということは、こういうことですか」というように、ポイントを絞り込んで要約していくことが多いのです。そうやって、私なりに理解をしてから、教育プログラムを作っていきます。
ちょっと話がそれましたが、何をいいたいのかというと、経営者の方がおっしゃっていることは、社員には伝わりきっていないだろうということです。なぜならば、経営者のお話が整理されていないことが多いからです。
だからこそ、経営者自身が、どのようにしていきたいかを明確にすることが大切だということです。頭の中にあるイメージを、シンプルに、誰にでもわかりやすい形でまとめること。それができれば、社員だって経営者の考えを理解しやすくなりますから、次第に変わっていくはずなのです。
「コミュニケーションの問題の多くは、伝える側に原因がある」
肝に銘じておく必要があるかもしれません。

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