懐の深さを持つ
最近の若者は・・・
このセリフは、最近に始まったことではなく、いつの世の中にもあることのようです。実際、私の経験でも、かつては私自身が「最近の若い人は・・・」といわれていたものです。ところが、今となっては、私が「最近の若い人は・・・」という年齢になりつつあります。
そろそろ定年を迎えるという団塊の世代も、何を隠そう戦後生まれです。ということは、戦前生まれの方から見れば、「戦争を知らない子供たち」です。(もう、子供ではありませんが)
さらに、私ぐらいの世代なら「戦争を知らない子供たち」とは何かを知っていますが、今の本当の子供たちは、「戦争を知らない子供たち???」「何?それ?!」という感じかもしれません。
それだけ、いつでも世代間のギャップは存在するということです。
と、本題からそれてしまいましたが・・・
今日、いいたかったことは、社員教育を考えるときに、「最近の若者は・・・」という言葉は禁句にすべきだということです。その理由は、すでに述べたとおり、このことは今に始まったことではなく、いつの時代にもある、ごく普通の当たり前のことだからです。
確かに、若者たちとはギャップがあって、自分の常識とはかけ離れているかもしれません。それでも、そのギャップを何とか埋めて、きちんと教育していくことが大切なのだと思います。
そんなことを思ったのは、本日(9/27)付けの日本経済新聞の夕刊である記事を見かけたからです。ある記事とは、元バレーボールのスーパーエース、現在はVリーグ・堺で監督をされている中垣内祐一さんの記事です。
その記事によれば、中垣内さんは、大学4年の時にワールドカップで大活躍し、卒業後、新日鉄に入社したそうです。ワールドカップの活躍で人気絶頂だった中垣内さんですが、それを迎えた先輩たちも相当なものだったようです。
全日本のエースだった田中幹保さんが監督兼選手、他にも、当時の全日本のセッターの真鍋政義さんや、植田辰哉さん(現全日本男子監督)という、そうそうたるメンバーがいたらしいのです。
相当な実力者たちの中に、ワールドカップで大活躍した有望な新人が入団したわけです。そして、大活躍・・・となればいいのですが、時には、有望な新人がつぶされてしまうという話も聞きます。ところが、ここは違いました。
「長所を伸ばしながら、あとで欠点を気づかせてくれる。生意気な新人を包み込む懐の深さがあった」
中垣内さんの言葉です。
ポイントは、これだ!!私は思いました。
有望な新人ですから、新人とはいえ、実力もそれなりにあるはずです。しかしながら、そうはいっても新人は新人。先輩たちからすれば、まだまだ足りないところもたくさんあるはずです。
そのときどうするかが問題です。
先輩としての威厳を保つために、生意気な新人をつぶしてしまうか。逆に、おだてて調子に乗せてしまうか。
どちらも、良くないですよね。
つぶしてしまえば、せっかくの可能性を封じ込めるわけですし、逆に、おだてて調子に乗せてしまえば、不足している点を克服して成長するチャンスを逃してしまう可能性があるからです。
そこで重要なのが、
「長所を伸ばしながら、あとで欠点を気づかせてくれる。生意気な新人を包み込む懐の深さ」
です。
これなら、良いところは伸ばし、悪いところは克服し、本人にとっても最高の場になるはずです。
さて。
このことは、ある程度、一般の職場でも当てはまるはずです。
新人が入ってきたとき、ダメなところばかり見れば、せっかくの可能性をつぶしてしまいます。
だからといって、できていないことから目を背けて、ほめてばかりでは、本人が自分の本当の実力に気づくことができません。結果として、これまた成長の可能性を奪ってしまいます。
そうならないためには、やはりこれ。
「生意気な新人を包み込む懐の深さ」
先輩たちは、これを身につけるべきではないでしょうか。
もっとも、それが簡単にできたら苦労はしないわけですが。
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