「何をやるか」より「なぜやるか」

新入社員が入ってきて、「この会社に入ってよかった」と思わせるためには、どうしたらよいか。

これは難しい課題です。

極論すれば、人によって「この会社に入ってよかった」と思う要因は違うでしょうし、それも一つや二つのことではないからです。待遇、職場の雰囲気、仕事の内容、自社の存在価値・・・いろいろなことが合わさって、入ってよかったと思うものです。

ですから、そう簡単なことではありません。同じ職場の人間としては、できることとできないことがあります。

では、できることは何か。

一つは、なぜ、この仕事をやるのかを教えることです。

新入社員は、仕事ができません。当たり前です。基本的な電話の取り方、コピーの仕方、そんなことすらできません。

すると、どうするか。

普通は、そのやり方を教えます。当たり前ですね。できないのだから、やり方を教える。ただ、そのときに気をつけなければいけないことがあります。それが、なぜ、この仕事をやるのか。その仕事の目的や、やらなければいけない理由、その仕事の重要性などを説明するということです。

たとえば、私の新人時代の話です。

入社したばかりの私は、先輩の社員から、棚に入っている書類を整理するようにいわれました。ボックスファイルに入っている資料の内容を見て、タイトルをつけて、インデックスを作って欲しいといわれたのです。

ボックスファイルは、棚いっぱいにあります。その中の書類ときたら、そりゃもう、大変な量です。

さて、そのとき、私はどう思ったか。

率直に言うと、面倒くさいことを押しつけられているように思いました。自分たちがきちんと整理できていないものを、なぜ、自分が整理しなければならないのかと思いました。

結局、いわれたから仕方なくやりましたが、何の実にもなりませんでした。

これは、もちろん、私にも問題があります。仕事に対する姿勢に問題があったことは否定できません。

ただ、新人の問題点を指摘しても、いつまでたっても問題は解決しません。自分のことは棚に上げるようですが、先輩としてはどうすればよいかを考える方が、問題の解決には近道です。

あとで分かったことですが、先輩がこの仕事を私にやらせたのは、仕事の内容を理解させるためだったのです。書類全部に目を通して、タイトルを付け、インデックスを作っていくという作業をすることによって、この部署全体の仕事を理解させようとしたのです。

でも、私にはその意図が伝わっていませんでした。

その意図が伝わっていなかったために、私はイヤイヤ仕事をしたあげく、何も身につけることができなかったのです。

その意図を伝えてくれていたら、結果は、違っていたことと思います。

これは、電話の出方のような“超”基本的なことだってそうです。

「電話に出るときは、○○っていいなさい」

これだけでは、不十分です。

電話に出るということは、会社の代表として電話に出ることであり、そのためには、このような言葉遣いをする必要があって、このように対応する必要がある。そこまで説明しなければならないのです。

いやぁ、面倒くさい。

人を育てるということは、面倒くさいところも多々あります。でも、その最初の手間暇を惜しむと、いつまでたっても、「あいつは使えない」とか、「最近の若者は常識がない」とか、嘆き続けることになります。

そうならないためにも、最初にしっかりと教育するべきです。

それが、新人たちのためでもあります。

職場の上司や先輩には、しっかりと教育してあげる義務があるはずです。

何年かたって、彼ら、彼女らが恥をかかないように、一人前に育ててあげる役割があるはずです。

誰だって、新人時代があったのです。

自分だって、そうやって育ててもらったのです。

だから、面倒くさがらずに育てましょう。

それは、人のためでもあり、自分のためでもありますから。

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