精神論を侮るなかれ
精神論。
おそらく、あまりよい表現では使われないでしょう。
「そんな精神論ばっかりいって・・・」
この言葉の背後には、そんな精神論のような抽象的なことばかり言っていないで、具体的にどうするかを考えなさい。そんなニュアンスが隠されています。
もちろん、抽象的で漠然したことより、具体的な方法が示された方がいいこともあります。ただ、だからといって、精神論を馬鹿にしてはいけないと思います。
それは、スポーツを見ているとよく分かります。
このスポーツというのは、プロフェッショナル・レベル。お金をもらっているかどうかは別として、世界トップレベルとか、全日本レベルとか、高いレベルで争っている人たちの話です。
このような人たちの話を聞いていると、競技に限らずよく出てくる言葉があります。
「強い気持ちを持って臨みたいと思います」
「気持ちで負けないように」
「絶対勝つという気持ちで」
そんな言葉です。
スポーツですから、勝とうと思って試合に臨むのは当然のこと。そのためには強い気持ちが必要なのも当然のこと。
そんな当然のことを、多くのトップクラスの選手たちが、インタビューでこたえるのです。
勝利者へのインタビューでも同じです。
優勝できた要因は?
「そうですね、気持ちで負けなかったことです」
「絶対勝つという気持ちが相手を上回ったんだと思います」
「気持ちを切らさなかったことです」
それだけ、「強い気持ち」「絶対勝つという気持ち」が重要だということです。
でも、こういうことを書くと、こういわれます。
「じゃあ、絶対勝つと思ったら、絶対勝てるんですか?」
もちろん、そうではありません。
ただ、勝つと思っていない人が勝てるほど、世の中甘くはないと思います。
確かに、1度や2度は、たまたま、うまくいくことがあるかも知れません。でも、それが長続きすることはないでしょう。
勝つために必要な技術、体力、知力。それを身につけるために必要な訓練に耐えられるのも、「絶対勝つ」という強い気持ちがあるからこそ。
強い気持ちがあるからこそ、勝つための技術、体力、知力が身に付いていくということです。
反対に、具体的な方法論から入ると、強い気持ちが身に付かなくなることがあります。もちろん、テクニックから始めて、上達してから強い気持ちを持つようになるということもあるでしょう。
ただ、とにかく忘れてはいけないのが、「絶対やってやる」という気持ち。
それをどのように育むかが、人を育てる上でのキーポイントではないでしょうか。
もちろん、その前に自分自身が、そのような気持ちを持つことが大切ですが。
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