私が目標達成を手伝ったんです。。。
今日は、中小企業家同友会の横浜支部例会に参加しました。
IT関連の企業を経営する社長の報告です。
報告の中で、印象的だった一言が、今日のタイトル。
「私(社長)が、目標達成を手伝ったんです。。。」
この企業では、一時期、目標を立てても、達成できないのが当たり前になっていたそうです。売上というのは、自分たちの努力ではどうにもできないところがあります。どうしても外部のせい、自分以外のもののせいにしがちになります。もちろん、だからといって、目標を達成しなくていいということにはなりません。そこで、どのように動機づけるかが課題になります。
また、「どうせできないよ」と、最初からあきらめてしまったりもします。目標達成ができていないのが当たり前になってしまうと、最初からそういうものだと考えてしまったりもします。
どうやら、その会社でも、一時期そんなことになってしまったようなのです。
経営者としては、そのような状態を放置するわけにはいきません。
こういうケースで一番多いのは、「何としても目標を達成するぞ!!」と、叱咤激励することでしょう。
成果に応じたインセンティブ、つまり、鼻先にニンジンをぶら下げるという手もあるかも知れません。
目標を達成しなければ、ボーナスを減らすなどの脅しもあるかも知れません。
どれも、ある程度は効果を発揮しますが、効果を発揮しないこともあります。たとえ、効果を発揮しても長続きしないということもあります。上記の策は、刺激を与えているだけなので、どうしても反応するだけで終わってしまうからです。
長く効果を発揮させるためには、外からの刺激ではなく、中からじわ~っと効いてくる作戦の方が有効です。即効性はあまりないかも知れませんが、長期的な効果は大きくなります。漢方薬みたいな感じでしょうか。
さて、目標未達が当たり前になってしまったとき、この社長はどうしたのでしょうか。
タイトルの通り、各部門の目標を達成できるように、社長自身がいろいろと手伝ったそうです。営業をしてきたり、部門の売上を調節したり、何らかのサポートをして、各部門に目標を達成させたということです。
そして、「ほら、やればできるじゃないか」と、社員にいったそうです。
頑張れば目標が達成できるという自信を植え付けようとしたのです。
たぶん、この社長は、自分がとってきた契約も部下の手柄にしたのだと思います。部門の目標を達成するために、社長自らが骨を折っているのですが、恐らく、そのことはアピールしていないと思います。自分のことは黙っておいて、「お前たち、やればできるじゃないか」といっただけだと思います。
そうすると、いわれた方は、「やればできるといっても、結局は社長に助けてもらっている」と思うかも知れません。ですから、自分でやったという自信は、すぐには生まれないかも知れません。
でも、ここで社長への感謝が生まれると思うのです。
これからはもっと頑張ろうと思うはずなのです。
たぶん、「もっとがんばれ」「目標未達じゃないか」というよりも、効果的だと思います。
この会社では、その後、順調に業績も推移してきたそうです。その要因の一つは、このときの社長の行動ではないかと思います。
たぶん、これはサーバント・リーダーシップという、部下に奉仕するリーダーシップという考え方に該当します。カリスマ的なリーダーよりも、部下に奉仕するようなリーダーの方が、かえって部下が付いてくるようになる。そんな考え方です。
リーダーは、リーダーらしくあることよりも、どうしたら成果が生まれやすくなるかを考えるべきです。
どうしたら、社員一人ひとりが力を発揮するのかを考えるべきです。
そうすると、このサーバント・リーダーシップも理解できると思います。
そして、会社の業績も上がっていくと思います。
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