木を見て森を見ず

先日、美術館に行って絵を見てきました。その中に、いくつか風景画が展示されていました。

その中の何枚かは、遠くから見るとまるで写真のようです。とても精緻に描かれています。木々の葉の重なり具合、緑の深さ、明るさ、光と影など、見事に描かれています。

写真みたい!よくまあ、ここまで細かく描けるよなぁ。。。

とても感心します。

ところが、近くに来て、ぐっとアップで見てみると、全然精緻に描かれていないのです。目の前に見えているのは、どうみても絵の具で(当たり前ですが)、しかも、結構アバウトに塗られているようにしか見えません。

それでも、また1,2歩下がって見てみると、美しい葉の重なりや川の流れの反射など、見事に描かれています。

で、また、接近してアップで見ると、やっぱりアバウトなんです。

さて。。。

これで思い出したのが、かなり昔になりますが、私が自分で曲をコピーして作品を作っていたときのこと。

自分の好きな曲を再現するのですが、スコアがあるわけではありません。あるのは、せいぜいコード譜ぐらいで、それ以外は全パート耳で聞いて音をとります。そして、それをシンセで再現できるようにデータを打ち込みます。

シンセの音は、年々技術も上がっていて、ちょっと聞いただけでは本物と間違える位の音です。でも、演奏データ次第で、いかにも打ち込みっぽくなってしまうこともあれば、生の演奏と間違えるぐらいの音になることもあります。

で、一生懸命コピーして、そのまま再現するのですが、なかなかうまくまとまりません。そのパートだけ聞いていると完璧なのですが、他と合わせるとどうもいまいちなのです。きちんと再現しているはずなのに、どうもしっくりきません。

で、しっくり来ないので、完全コピーではなく、少し省略してノリで打ち込んでみると、これがあら不思議!

意外に、しっくり来るのです。

その代わり、そのパートだけを聞くと、ちっとも原曲の再現にはなっていません。でも、すべてのパートを聞いてみると、その雰囲気はうまく再現されているのです。

音がないので、何のことか分からないかも知れませんね。。。

私がいいたいのは、結局、細部にこだわって真似してみても、本物に近付くわけではないということです。

むしろ、細部にこだわりすぎず、全体の雰囲気を真似する方が、よく似ているのです。

それを考えると、ものまねとか、そっくりさんなども同じかも知れません。

ものまねも、一つひとつ、細かく比べてみると、意外に似ていなかったりします。そっくりさんも、二人を並べてみると、違いがたくさん見つかります。

でも、細部を気にせず、全体を見てみると「似てる!」と思うのです。

このことは、経営とか、人材育成とか、いろいろなことに応用できると思います。

要所を押さえることは大切だけど、細部にこだわりすぎてもダメ。

むしろ、全体像を大切にして、細部にこだわりすぎない方がうまくいく。

それは、人の欠点とか、失敗とか、悪い点ばかりにこだわらず、その人の良さ、長所を生かすようにすることも同じ。

ちょっと強引かも知れませんが、その人が自然に発揮できるよい点を活かして、欠点や短所に目くじらを立てない方が、その人の良さは活かされる。

会社でも、全体でどうなるかを重視して、細かい部分にこだわりすぎない方がうまくいく。。。

ただし、要所は押さえなければいけませんから、きちんと押さえる部分と、流す部分をきちんと見極めることが大切になります。そのためには、全体を見ることが不可欠です。

全体を見渡すということは、客観的にみることにもつながるので、冷静な判断ができていいかも知れません。

場合によっては、細部へのこだわりも重要です。

でも、細部へのこだわりが生きるのは、結局、全体のバランスがとれているという前提があってこそです。

客観的に、全体像を見ることは、とても重要なことなのだと思います。

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