指摘するほどダメになる?
人の未熟なところ、不完全なところ、ダメなところを見つけると、どうしても指摘したくなります。
特に、自分より目下の人間に対しては、それを指摘することが自分の役割だという使命感も手伝って、ドンドン指摘してしまったりします。
このこと自体は、悪いことだとは言い切れません。指摘された人にとっても、自分の成長につながりますし、ありがたいことだともいえます。
ただ問題なのは、本当にその指摘が成長につながるのかということです。
もう7,8年前のことですが、私は生まれて初めて、ゴルフコースに出ました。仕事の都合で、どうしても参加しなければならなかったので、何回か練習しただけで、ほとんどぶっつけ本番でした。
当然、うまくいきません(苦笑)
そもそも、ゴルフのしきたりが分かりません。どういう順番で打つのかとか、次に何をやるのかとか、とにかく勝手が分かりません。
さらに、技術も未熟なので、まあ、お荷物状態でした。
それを見かねたキャディさんが、途中で、打ち方をアドバイスしてくれました。
何をアドバイスされたかは覚えていませんが、いわれたことはシンプルでした。
「腕をこうして、力をためて・・・で打ってみて」
そんな感じでした。で、その通りやってみたところ、うまくいったのです。
で、つぎにいわれたことは、
「今のイメージを忘れないで」
これだけです。
たぶん、改善すべき点は、たくさんあったと思います。でも、いくつも指摘されたところで、すべてを修正できるかといえば、そう簡単にはいきません。二兎追うもの一兎をも得ずということで、すべて修正できないこともあります。
だから、ポイントを絞って、指摘してくれたのでしょう。
指摘されたことも、「してはいけない」ことではなく、「こうした方がいい」ということを指摘してくれました。
また、人間は「これをしてはいけない」と意識しすぎると、なぜか同じ失敗を繰り返すものです。「してはいけない」ことに意識が集中しすぎていると、自分の意志とは裏腹に、「してはいけない」ことをしてしまうのです。
だから、「こうした方がいい」ということを指摘してくれたのかも知れません。
スポーツなどでは、チャンスボールが来て力んで失敗したり、イージーなボールを取り損ねたりすることがあります。これは、余計なことを考えて、余計なところに力が入るからです。
何も考えず、自然体で、無心でやればいいものを、考える余裕、考える余地ができてしまうと、かえって失敗してしまうのです。
実は、指摘しすぎると、余計なことを考えたり、意識しすぎる原因になります。
また、潜在的にできないイメージが定着する原因にもなります。潜在的に悪いイメージが定着してしまうと、自分でそれを払拭することは困難になり、なかなかうまくいかなくなります。
従って、できているときのことを褒めて、そのイメージを定着させる方が、成長につながりやすいのです。
やり方次第で、人の成長は促進されます。
逆もありますが。。。
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