『人を助けるとはどういうことか』

エドガー・H・シャイン教授の本を読み、考えさせられました。この教授の本は、これまでにも『プロセス・コンサルテーション』などを読んだことがあります。そのときも考えさせられましたが、そのときのことを思い出しました。

この本は、支援をする立場の人間が、どう考え、どう行動するべきかを書いた本です。

考えさせられることの一つは、支援者の思いこみでアドバイスはしてはいけないということ。

相手の状況をきちんと理解していないのに、分かった気になっただけでアドバイスをしてはいけないということです。そのようなアドバイスは、相手に受け入れられないだけではなく、不適切なアドバイスである可能性も高いからです。

でも、私のような仕事をしていると、これをやりそうになります。

もちろん、最初は、本当に状況が分からないので、分かるように努力します。ところが、ある段階までくると、こういう問題があるとか、ここで悩んでいるとか、この問題に気づいていないとか、ある程度見えてきます。そうすると、アドバイスしたくなるのです。

決して、悪気はありません。相手のためを思ってのことです。

でも、それは役に立たないことが多いと教授は指摘しています。確かに、それも分かります。経験もあります。役に立つアドバイスだと自信を持っていたのに、あまり受け入れられず、気まずい思いをしたこともあります。

一方、たとえ気まずい思いをしても、いうべきことはいうべきだという考えもあります。そうすることが、相手のためだからという理屈です。

それも分かります。

相手が気づいていないことを、気づいた人が指摘してあげる。そうすれば、新たな気づきが得られて本人のためになる。

確かにそうかもしれません。

でも、それが本当に相手のためになるのか。

単なる自己満足で終わらないか。

ひょっとすると、自分の傲慢さの表れなのではないか。

そう思わなくもないのです。

もちろん、その人との関係や状況によって、いうべき時と、いうべきでないときがあるでしょう。どんなときでも正しいということはありませんから。

でも、いつもいつも、その場で判断するしかないのかというとそうでもないと思うのです。

同じ会社の人とか家族とか、付き合いが長く、どんな性格かを把握している場合は、ある程度状況を把握したら、アドバイスをしても良いと思います。日頃からその人を見ていて、長所短所、個性などを知っているので、比較的正しいアドバイスができると思うからです。

しかしながら、私のような場合は、すぐにアドバイスしてはいけないのだろうと思います。

分かったような気になっても、理解し切れていないことが多いからです。そして、そんな状態で分かったようなアドバイスをすると、お互いの関係を壊します。そうなってしまったら、支援する関係も壊れます。

ということは、その人のために支援するチャンスがなくなるということです。

下手なアドバイスは、アドバイスが役に立たないだけではなく、その関係も壊してしまいます。

上手に関係をつくり、適切な支援をしていくスキルを磨かなければなりません。

それができないと、結局は、相手の役に立てないわけですから。

もう一度、この本の内容を噛みしめながら、スキルアップを図りたいと思います。

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