技・体・心(仕事編)
昨日、一般的によく使われる心・技・体ということについて書いてみました。
ひと言で言えば、育てる順番は、技・体・心ではないかという考えです。
昨日は、野球のピッチャーを例にしてみましたが、今日は、仕事を例に考えてみたいと思います。
仕事の場合、技・体・心というのが、何にあたるのか。
まず、そこから明らかにしなければいけないかもしれません。
私の考えでは、技は、その仕事そのものの技術です。
って、何だか分からないですよね。。。
たとえば、タクシーの運転手だったら、車の運転。
コックさんなら、調理の技術。
レジを打つ人なら、レジの打ち方。
事務職なら、その事務のやり方。
それを知らないと、あるいは、それができないと、まったく仕事にならないという技術や知識です。
では、体は何かといえば、そこに密接に関連してはいるものの、なくても何とかなってしまうようなもの。
たとえば、タクシーの運転手だったら、接客技術、裏道を知っていること。
コックさんなら、接客技術、専門外の料理の知識。
レジを打つ人なら、接客技術、店内の商品のある場所。
事務職なら、接客技術、自社商品の知識。
こう書くと、「いや、これはみんな必要だ!なくても何とかなるというのは間違っている!」と、反論したくなるかもしれませんね。
現実的には、その反論通りだとも思います。
でも、たとえば、タクシーの運転手は、どんなに無愛想でも何とか仕事はできますし、裏道は知らなくても、ナビが案内してくれたり、客に誘導させればそれで済んでしまいます。
レジを打つ人も、無愛想なレジでは評判が落ちるでしょうが、最低限の役割は果たしています。「しょうゆはどこにあるの?」と聞かれて答えられなくても、他の誰かが答えてくれるでしょうから、これも何とかなってしまいます。
もちろん、どちらも、望ましい状態ではありません。きちんとした仕事をしてもらうためには、そういうことも覚えてもらわなければならないでしょう。
でも、あえて分けるのであれば、なければないで何とかなってしまうものということになると思います。
そして、最後に心。
これは、周囲の人間に対する配慮など、いわゆる心に関係することもあるでしょう。
会社を大切にしよう、自社商品を大切にしよう。そういう心もあるでしょう。
そして、仕事でいうと、心の中には、社会情勢を知るとか、経済情勢を知るとか、世界を知るとか、日本を知るとか、そういう社会人としての教養みたいなものが入ってくるのではないかと思います。
これを心に入れるのは、違和感がありますが、そのような教養を知るからこそ、心が豊かになり、人への思いやりの心が芽生えるという面もあります。
ですから、これは心に入れておきます。
で、仕事を始める前には、まず、先ほどの技から覚えます。それができないと、あるいは、それを知らないと仕事にならないからです。
そして、それができるようになったら、どんな仕事にも共通する接客(人への対応)のレベルをあげたり、さらに仕事の質を高めるために、自分の業務に関連する知識、技術を覚えていきます。
そして、最後に、心、教養を覚えていくことになると思います。
人間が育つ過程を考えると、心、教養は、学生のうちに学んでいるようにも思います。でも、実際はそうではありません。いくら学校で教えていたとしても、きちんと身につけている学生は多くはありません。
なぜ、そうなるのかといえば、そういう心や教養の重要性を、若いうちは理解できないからでしょう。
私自身もそうです。
学生時代、一番苦手、嫌いな科目は社会でした。
歴史、地理。
ああ、いやだ。。。
いいくにつくろう鎌倉幕府。。。
それしか覚えていません(*_*)
もっとも、他の勉強も別に好きではありませんでしたけどね。
でも、人がイキイキと働く会社をつくるコンサルタントになりたいと思い始めてから、いろいろと勉強するようになりました。
まず、勉強したのが、組織改革の具体的な手法。
それに続いて、モチベーションの向上、人事制度など、いわゆる人に関するところを勉強しました。でも、結局、経営は人だけじゃないので、経営戦略、マーケティング戦略など、戦略方面に向かいました。
そして、企業はそういう戦略ではなく、そもそもなぜ存在するのかというようなことも大切だと気づいて、経営理念やビジョンやミッションがどうのこうのということを学びました。
このへんは、たぶん、組織を活性化するコンサルタントとしては、技と体のあたりです。
で、一通り学んだあとに、会社の方向性を考えるためには、SWOT分析(経営環境の分析不法の一つ)のやり方を知っているだけではダメで、世界情勢とか社会情勢とかを知らなきゃいけないと思うようになりました。
そしてそれを知るためには、この世の中がどのようにしてできてきたのかという、歴史的背景を知らなければならない。過去を知らなければ、この先のことも考えられないということに気づきます。。。やっとです。。。
そして、ここまで来て、私は歴史を知ろうとか、いわゆる社会的な勉強をしようと思うようになったのです。
そして、そういう気持ちになったのはいいのですが、まだまだ勉強途中です。というか、まだ勉強し始めたばかりです。日本を含めて、世界の歴史を知ろうと思うと、奥が深すぎます。。。(@_@)
こんなことなら、学生時代にもっとまじめに勉強しておくんだった。。。
誰もが思うことですね。。。きっと。。。
たぶん、人には学ぶために適したタイミングがあるのです。
そのタイミングを外れていると、いくら人から教えられても、インプットされないのです。また、そこに対しての意欲が沸かないのです。
教える側としては、「のれんに腕押し」「ぬかに釘」「馬の耳に念仏」「馬耳東風」
まったく、手応えがないかもしれません。そういうときは、タイミングを待つのが一つの策です。
でも、タイミングが来るのを待つしかないのかというと、そうではないと思います。
ある程度は、知りたくなる、勉強したくなるように仕向けることは可能だからです。
その気にさせるために、どうしかけていくか。
それが腕の見せどころ。
いろいろ難しいですけどね。
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