研修とモチベーションの維持
研修やセミナーに参加すると、その瞬間はモチベーションが高くなります。刺激を受けて、行動を変えようとか、新たにチャレンジしようとか、単純に頑張ろうとか、意識が変わります。
ところが、たいていの場合は、時間がたつにつれて、その意識が薄れていきます。
それは、自発的に、自分の内面からそうなっていったわけではなく、受動的なものだからです。特に、短期間で、外から強烈なメッセージを受けて刺激を受けた場合は、短期間で戻ります。
外からの影響でも、時間をかけて刺激すれば、それなりの期間持続します。
基本的には、その刺激を与えた期間(研修やセミナーの時間)に比例して、その効果が継続すると考えてよいでしょう。
これは、研修やセミナーだけではなく、上司から叱られたとか褒められたとか、そういうことも同じです。
本人の内面ではないという意味では、上司からや、同僚から、後輩から受ける刺激も外からの刺激です。
よく、ライバルがいると成長するというのは、外からの刺激が絶えず入ってくるからでしょう。ライバルの成果や仕事ぶりを見て、そこから刺激を受け続けているので、モチベーションが高い状態を継続できるわけです。
でも、いつもそういう状態とは限りません。
では、どうするか。
ライバルとなる同世代をくっつけるとか、後輩を指導させるとか、そういうやり方もあるでしょう。
新しい仕事を与えるというやり方もあるでしょう。
でも、それだけでは、研修やセミナーで受けた刺激を持続できないことがあります。
では、どうするか。
たぶん、一番多いパターンは、継続していないことを叱るということです。ダメ出しすれば、ダメな部分が解消されるという考え方です。
でも、残念ながら、あまり効果がないと思います。
なぜか。
ダメなことは、本人だって分かってるからです。
どの程度分かっているかは別ですが、継続していないことについては、自分でも分かっています。
「ああ、また続かなかったな。。。」
本人も自分がダメだと思っているのです。
そこに、
「おまえ、続けなきゃダメじゃないか」
そういっても、あまり効果はありません。
もともと、継続できなかった自分にがっかりしてモチベーションが落ちているところです。怒られれば、もっとモチベーションは下がります。
それでも、怒られたのでやらなければいけないと思うかも知れません。でも、今度は、怒られたから仕方なくやることになるのです。
「ああ、せっかく頑張ろうと思ったのに続かなかったな。。。」
と、モチベーションが下がり、
「ああ、また怒られちゃったよ。。。」
と、ますます嫌になり、
「ああ、でもまた怒られるから、やんなきゃな」
と、気が乗らないのに、もう一度やろうとします。
これでは長続きしません。自主的に、積極的にやろうとしていないので、長続きするはずがありません。むしろ、大きなストレスになって、エネルギーを消耗するでしょう。
せっかく、何かするのなら、意味のあることをするべきです。
継続していないことを指摘するとしても、「継続していないからダメだ」というのではなく、「継続すれば素晴らしい」というべきです。
「今はやめてしまっているけれども、このままやめたら本当に意味がなくなる。せっかく、少しやり始めたんだから、もう一度やってみろ。そうすれば、必ず自分のためになる」
相手がダメだというメッセージではなく、どうしたらもっとよくなるかというメッセージを発するべきです。
誰でも、何かを続けることは大変です。特に、自分一人で、何かを継続していくことは大変なことです。途中で挫折しそうになることもあるはずです。
組織の素晴らしいところは、そういうときに、励ましてくれる人がいるということです。
お互いに助け合って、力を合わせて、一つの目標に向かっていけることです。
足を引っ張るのではなく、支え合って、強くなっていけることです。
時には、ダメなところを指摘することも必要でしょう。ただし、指摘の仕方を間違えれば逆効果になります。
残念ながら、うまく指摘できている例は、あまり多くはないようです。
うまくできているかどうかは、みんなのやる気で分かります。
うまくやるのは、難しいですけど。。。
投稿者プロフィール

最新の投稿
変革ストーリー2021.01.11【企業変革ストーリー】第一章「一念発起」 経営のヒント2020.02.24上司のひと言で部下は変わる 経営のヒント2020.02.17人前で話すのが苦手だった私が、今では講師になりました… 経営のヒント2020.02.10経営者やリーダーに人望は必要なのか?