子供には子供のプライドがある。社員にも社員のプライドがある。

小さな子供は、親のいうことを素直に聞きます。もちろん、聞かないこともありますが、親への依存度が高いと、親のいうとおりにする傾向が強いはずです。

でも、子供が成長するに連れ、徐々に親のいいなりにはならなくなります。自我が強くなり、自分の考えが明確になってきて、一人前になるにつれて、親のいいなりにはならなくなるものです。

それにも関わらず、親のいいなりにしようと頭ごなしにいってみても、かえって逆効果。反発されるだけで、いいことはありません。

ある程度の年齢まできたら、たとえ子供が未熟であっても、ある程度一人前として扱わないと、素直に聞こうとはしないでしょう。

親にとっては、いつまでたっても子供は子供ですが、子供の方は、徐々に成長してくるので、「いつまでも子供扱いするな」という気持ちが芽生えてきます。

今考えれば笑っちゃいますが、中学生ぐらいになると、もうかなり大人の気分だったように思います。もちろん、子供なところは子供なのですが、体も大きくなりますし、電車も大人料金になりますし、かなり大人になっていると、本人は思っているのです。

もちろん、本当の大人から見れば、まだまだ子供。体格は大人並みになってきたかもしれませんが、精神的には子供。そういうものだと思います。それは、中学だけじゃなく、高校、大学まで、いえ、社会人になっても。

でも、子供の方は、かなり早くから大人になった気でいるのです。ある部分では。

自分の未熟さには気づかずに、一人前の気分でいるのです。

それに対して、「お前はまだ甘い」とか「子供のくせに生意気なこというな」ということは、何の意味もありません。いいたくなる気持ちは分かりますが、いってみたところで反発を食らうだけです。何もいいことはありません。

でも、いっちゃうんですよね、きっと。

今は、親子の関係で書いてきましたが、実は、社員にも同じことが当てはまります。

学校を卒業して、入社3年目にもなれば、もう気分はベテラン。まだまだ未熟な部分があるのも自覚しているでしょうが、ある部分では、もうかなりできるような気になっているケースも多いのです。でも、上司から見れば、まだまだ未熟な部分が目に付く。

それなのに、口だけは一人前の口を利く。

そうするといいたくなるんです。

「お前は、まだまだ甘い」
「そんなことをいうのは百年早い」
「何、生意気なこといってるんだ」

たぶん、こんなことをいえば、それなりの効果はあると思います。でも、狙っている方向に向かうとは限りません。

ちょっと天狗になりかけた鼻っ柱を折るためなら、先ほどのセリフは有効でしょう。でも、これを言い続けると、妙に謙虚で、自信のない人間が育つ一因にもなります。「ダメだ」と否定されて育つので、自己評価が高くならないんです。そうすると、いつまでたっても自信がもてないのです。

自信がないというのは、あまりいいことではありません。積極性もなくなりますし、弱気にもなりますし、仕事への意欲も高まらないという弊害もあります。自信過剰はよくありませんが、それは「過剰」だから良くないのであって、適切な自信は誰にとっても必要なものです。

自信を育てるためには、否定してばかりではダメです。

また、別の問題をあげれば、先ほどの子供の例と同じで、心の中で反発するということがあります。「何も分かってない」とか、「自分のことを理解してくれていない」とか。

それでも、反発して見返してやろうと努力するのなら問題はありません。でも、心が離れて、適当に仕事しておこうとか、困らせてやろうとか、そういうひねくれた心が育ってしまう恐れもあります。

たぶん、願っているのは、未熟な面をレベルアップして、さらにいい仕事をしてくれることでしょう。そのためには、まずは、今できていることについては、認めてあげる必要があるのです。

「一寸の虫にも五分の魂」といいます。

子供には子供の、若手社員には若手社員の、幹部社員には幹部社員の、それぞれの魂があるのです。それぞれにプライドがあるのです。

それを尊重しておかないと、いい関係は築けないでしょう。

ちなみに、中途採用の社員が、なじめずに辞めていく一因は、ここにあります。中途採用の社員は、過去の経験がどんなものであろうが、年齢がいくつであろうが、入社直後はとにかく新入社員です。ですから、新入社員にふさわしい態度、学び方があることも事実です。

でも、新卒と違って、他社での経験、社会人としての経験があります。それはそれで、尊重してあげる必要があるのです。それは、その人の意見を聞くとか、業務の進め方を合わせてやるとか、そういうことではありません(もちろん、そうしても構いませんが)。

ただ単に、経験があることを尊重してあげるということです。その人を認めてあげるということです。

話がそれましたが、たとえ上司から見て未熟であっても、本人にはそれなりのプライドがあります。誰でもそうです。

それを忘れずに接することが、いいチームをつくるための秘けつだと思います。

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