規律をつくることと、自主性を育むこと
会社の中には、規律がなければなりません。たとえどんなに自由な会社であったとしも、すべてが自由ということはなく、それはそれで必ず規律があります。
規律がないと、組織は成り立ちません。
また、元気な会社、活気のある会社には、社員一人ひとりの自主性があります。上司からいわれたことだけを、いわれたとおりやるのではなく、自分から進んで、創意工夫をしながら取り組んでいく姿があります。
経営者は、当然、規律と自主性の両立を願います。
ところが。。。
規律と自主性の両立はなかなか難しいことです。
規律を徹底させようとすると、自主性がなくなります。
なぜなら、規律を徹底するために、指示・命令が強くなるからです。当然、社員たちはそれに従うことを優先するので、自主性が失われていきます。
じゃあ、自主性を出させようとして、いろいろと任せようとすると、今度は各自がバラバラに勝手なことをやり始めて、何だかしまりのない、規律のない組織になってしまいます。
でも、規律をしっかりしようとすると自主性が失われるので、その辺のさじ加減が難しいのです。
で、結局、これを両立させるためには、理念とかビジョンが大切なんです。
「最高の商品・サービスを提供する会社になる」
とか、
「質の高い商品やサービスで、お客様の快適な生活に貢献する」
とか、
漠然としてはいるけれども、これは譲れないというものを明確にして、あとは、社員自身に判断させるようにしていけばいいのです。もっとも、最初は社員自身で判断できないと思いますが、ねばり強く、根気よく考えさせるということです。
たとえば、いい加減な仕事をしている社員がいた場合。
「そんな、いい加減な仕事をしているんじゃない!」
と、叱ってしまうと、結局自主性が出なくなります。自分で判断もしなくなります。
そこで、
「そういう仕事の仕方で、最高の商品を提供していることになるの?」
とか、
「それで、お客様の快適な生活に貢献できているの?」
と、聞く。
普通は、Noという回答になるはずなので、そうしたら、
「じゃあ、どうすればいい?」
と、考えさせる。
すぐにはいい答えが出ないと思いますが、しつこく、ねばり強く、根気よくやり続けていれば、そのうち分かるようになります。
でも、ただ叱るだけの場合は、いくらしつこくやり続けていても、理解できるようになるとは限りません。
それと重要なのは、「これはダメ」「あれはダメ」という叱り方よりも、「こうするべき」という理想の姿に目を向けることです。
で、理想の姿にするためにはどうしたらいいかは、自分で考えさせる。
そうすれば、きちんと守るべきことを徹底できて、自主性も育むことが可能です。
でも、簡単にはできませんけどね。
とにかく、しつこく、ねばり強く、根気よくやり続けることが重要だと思います。
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