リーマンショックから1年
新聞各紙の見出しを見ても、ニュースなどを見ても、「あれから1年。。。」などとやっています。
一部の記事では、その傷みを忘れて、また強欲的な儲け主義が復活してきたとか。
金融というのはとても重要ですし、儲けようという意欲も必要でしょう。リスクをとって、利益を得ようということを、全面的に否定するつもりはありません。
でも、どうも、人間が頭を絞って考えたものは、行き過ぎると問題を起こすような気がします。
金融工学とやらも、理屈を聞けばなるほどと思いますが、よく考えると、「あのリスクはどこへ行っちゃうの?」と、不思議に思えるようなことです。実際、どこかに消えたわけではなく、こうなってしまったわけですが。
自然界がすごいと思うのは、たとえ残酷な弱肉強食の世界であっても、きちんとしたルールというか、節度があるということです。
肉食動物は、空腹の時にしか獲物を捕らないそうです。弱くて、他のものに食われてしまう動物は、あらかじめたくさん生まれてきて、適当な数が生き残ります。しかも、ある時は食べるものが、ある時は食べられるものになり、うまく循環しています。
そのようにうまくできている世界に、人間が進出するとおかしなことが起こります。
ある種が絶滅の危機になってしまったり、逆に、天敵を殺したためにある動物が増えすぎてしまったり。
金融工学と自然界の話は直接つながらないかもしれませんが、でも、根本は同じことのような気がします。
結局、「自分だけがよければいい」という発想は、その瞬間はよくても、長い目で見れば破綻を来すのです。
このことは、1929年の世界大恐慌を見ても分かります。
私も、あの有名な『大暴落1929』とか『オンリー・イエスタデー』とか読んでみましたが、今回と同じような現象が見られたようです。もちろん、80年前のことですから、全然違うところは違いますが、人々のマインドには共通のものがあるように思います。
もっとも、80年前のことは、ほとんど覚えている人はいないでしょう。生まれていなかった人も多いでしょう。今、世の中を動かす中心の人は、生まれていなかった人ばかりでしょう。
ですから、その教訓を生かせといわれても、それが及ばなかったのは仕方がないかもしれません。
でも、1年前のことだとしたらどうでしょうか。
十分、教訓として生かせるはずだし、絶対に繰り返してはいけない。
そう思います。
「自分だけがよければいい」という発想ではなく、いわゆるWIN-WINの関係を築こうと思っていれば、たとえ、何か間違いを犯してしまったとしても、それほど大きな問題にはならないような気がします。
誰もが、一人では生きていけません。
何らかの形で助け合わなければいけません。
そういった前提のもとで、自由主義、競争主義が必要だと思います。
そこは論理でもなく、法律でもなく、結局は、その人の常識、考え方によるのかもしれません。
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