苦手なことにチャレンジする?
突然ですが、苦手なことはありますか?
たいていの人は、何かしら苦手なことがあるはずです。私にもあります。私の苦手なことは、同じことを地道に繰り返すこと、初対面の人と話すこと、超細かいところまで緻密に仕上げること・・・です。
さて、この苦手なこと。苦手なことをどうするかというのは、大きく分けると2つの対応があります。
一つは、苦手なことはやらないという対応。
もう一つは、苦手なことにも積極的に取り組んで、あわよくば、克服してしまおうという対応。
この2つのどちらがいいかというのは、状況によって異なります。私も、どちらがいいか分かりません。
たとえば、人は長所を伸ばすべきで、短所を無理して克服する必要はない、という考えがあります。確かに、苦手なことを一生懸命やっても、なかなか上達しません。
人間は、いろいろな個性があるのだから、それぞれ得意なところを伸ばすことが大切。大いに賛成です。
企業でも、致命的な弱みは別として、基本的には強みを伸ばす方が、競争力を高めることにつながることが多いものです。
それに、苦手なことを克服するよりも、得意なことを伸ばす方が、単純に楽しいですよね。人生、楽しい方がいいじゃ~ありませんか!
ですから、苦手なことはやらない、ということには大賛成です。
ところが。
そういっておいてなんなのですが、時には、苦手なことにチャレンジしてみることも、自分のためになると思うのです。
なぜかというと、そのことが、自分の可能性を広げてくれるからです。
たとえば、この私の例で申し訳ないのですが、実は私、かつては人前で話すことが、大の苦手でした。
念のためですが、私が、今、どんな仕事をしているかというと、コンサルタントです。講師として人前に立つこともありますし、プロジェクトなどの仕切などもやりますし、会議などを仕切ったりもします。
「人前で話をしない」ということは、考えられない仕事です。
それなのに、かつては人前で話すことが苦手だったのです。子供の頃の話ではありません。大学を卒業して、入社した時もそうでした。人前でうまく話せないのを見た上司から、毎日朝礼でスピーチをしろといわれたくらいですから。
でも、今、そんなことをいっても、あまり信じてくれる人はいません。
どうしてこうなってしまったのでしょう?
そのきっかけは、忘年会の司会をやらされたことでした。
入社3年目のことでしたが、無理矢理、忘年会の司会を引き受けさせられたのです。忘年会といっても、ただの忘年会ではありません。おそらく200名くらいは参加する立食パーティ形式の忘年会です。
司会といっても、乾杯して、あとはご歓談・・・ですむものではなく、途中で演奏があったり、手品があったり、ゲームがあったり・・・まあ、大変!
その日は昼過ぎから緊張で仕事が手に付かなくなり、本番まで台本片手にあっちウロウロ、こっちウロウロと、さまよい歩いていました。
でも、とりあえず本番を無事終えて、ホッと一息。そこで思ったものです。
こんなに緊張することは、もうやりたくない。もう2度とやらない、と。
ところが。
その後の私と来たら、何かことあるごとに司会を頼まれるようになってしまったのです。
どうしてかというと、200名の前で司会をやって、実績を作ってしまったからです。それを見ていた人たちは、私が人前で話をするのが苦手だとは信じてくれないのです。
私が、「緊張で食べ物ものどを通らないし、苦手だからイヤ」といっても、「またぁ、そんなこといって」と、ちっとも信じてくれません。
結局、
「この間もやったんだから、やってよ!」
この一言で、再び司会をやる羽目に陥るわけです。
でも、さすがにそれを3年も繰り返していると、もう苦手もへったくれもありません。普通にできるようになるんですね。
そして、今の私がいます。
人前で話をするのが仕事です。
もし、あのとき、忘年会の司会を断っていたら・・・
今、このような仕事は、していないかもしれません。
仕方なくではありましたが、苦手なことに取り組んだことが、自分を変えたのです。
ですから、苦手なことにチャレンジすることも大切なこと。
そう思うのです。
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