じっくりと自分を見つめ直す
分かっているようで、意外に分かっていないのが自分のこと。だからこそ、第三者からの客観的なフィードバックが大切です。
ところが、そうはいっても、率直にフォードバックしてくれる人はあまりいません。特に、社長ともなると、本音で語ってくれるひとは少なくなります。唯一、きついコメントをしてくれるのは、配偶者でしょうか。ただ、仕事上のこととなると、十分には理解していないことも多いので、参考にできる部分とそうでない部分があるでしょう。
そんなときに役に立たなければいけないのが、我々コンサルタント。問題がある部分については、率直にお伝えすることが大切です。
ところが、多くの社長さんは、私たちに見せる顔と社内で見せている顔が違うんですね。たとえが悪いかもしれませんが、学校の先生が家庭訪問に来ているときの両親と、いつもの両親の違いとでもいったらよいのでしょうか。
私たちの前で見せる顔が素晴らしいので、ついついだまされます。
ちょっと表現が悪いですね。決して、誰も、だますつもりなどないんです。ただ、考えていることと、実行していることが完全には一致していないということはあるようです。
たとえば、「運動不足にならないように気をつけよう」と思っているのに、ちょっと歩けば済むところをタクシーに乗ってしまったりします。
飲み過ぎは体によくないからほどほどにしようと思いつつ、飲み始めたら止まらない・・・なんてこともあります。
会社の中でも、たとえば「社員によい環境を整えよう」と考えて努力はしているものの、諸々の事情でそれができないこともあるわけです。
ところが、私たちが聞いているのは、「社員によい環境を整えよう」と努力している社長さんの話で、実際にはうまくできていない社長さんの話ではないのです。
そのため、勘違いしてしまうわけですね。そこで、本当の実態を把握するために、社員さんからも話を聞いたりします。そうすれば、実態がつかめるのです。
さて。ちょっと話がそれましたが、自分のことは意外によく分かりません。時には、じっくりと振り返ってみることが大切なような気がします。
そうしないと、何度も同じようなパターンで失敗する、ということになりかねない気がするのです。
ここでいう同じパターンでの失敗というのは、「朝寝坊で失敗する」とか、「いつも時間に遅れる」とか、「約束を忘れてしまう」とか、そういうレベルの話ではありません。
もっと、心の底に潜んでいることというのでしょうか。
「あのとき、どうしてあんなに腹をたてて、怒鳴り散らしてしまったのだろうか」
「どうして、自分は今の仕事をやっているのだろうか」
「なぜ、あのときあのような決断をしたのだろうか」
ちょっとだけ例を挙げれば、このような感じです。
そうやっていろいろと考えてみると、自分でも気づいていない、自分の意外な側面が見えて来るような気がします。
経営者は、自問自答が大切です。
いえ、経営者だけではなく、自らがリーダーシップを発揮していこうと考えている人には、自問自答は大切な気がします。
え?忙しくてやってられない?
そう、だからこそ、重要といえるのではないでしょうか。
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