お客様のため???
ずいぶん前のことになりますが、中古で車を買ったことがあります。中古なので、価格もいろいろですし、自分の条件にぴったりのものがあるとは限りません。
とりあえず、近くの店に行って、そこの人にこちらの要望を伝えました。
「予算は○○万で、ああで、こうで、、、」
しばらくして、その店の人間から連絡がありました。
「ぴったりのがありましたよ!」
そこで、詳しいことを聞くためにその店へ行きました。
当時は、車が欲しくて仕方がなかったので、これで自分の車が手にはいるかと思うと、ウキウキ、ワクワク、思わず顔がにやけてしまう感じでした。
で、その担当者から話を聞いたんです。
「ああで、こうで、、、」
一通り説明を聞いた私はため息をつきました。
「あ、そう。。。」
私は困りました。
なぜ、困ったのか…
予算オーバーだったからです。その他の条件はクリアしていました。というか、ややそれよりもいいものだったかもしれません。でも、その分なのかどうかは分かりませんが、こちらが伝えた予算よりオーバーしていました。
でも、そのときの私は、めちゃくちゃ車が欲しいモードで、「ああ、欲しい」という思いでいっぱいでした。
「ちょっと予算オーバーでもいいか。。。」
そう思いました。
でも、ない袖は振れないんです。
その車にかなり引かれていましたが、結局、他の車を探してもらうことにしました。
さて。
そのとき、その担当者は、
「お客さんのために、最適の車を選んだ」
といいました。
「お客さんの条件をクリアする車は、これなんですよ」
こうもいいました。
でも、私にしてみると、一番重要な条件である予算をクリアしていないのです。
今思えば、私は車が欲しいという気持ちでいっぱいなわけですから、あちらの担当者は、少し高い車でも私が買うだろうと思っていたのでしょう。ひょっとすると、少しでも高い車を売りつけようとしたのかもしれません。お客さんのためだといって。
今の私なら、伝えた予算をオーバーするような見積もりを持ってきたら、その段階で商談は終わりです。
「あなたは、私の話を聞いていたのですか?」
そう思うからです。
「お客様のためとかなんとかいいながら、結局、高く売りつけようとしているんじゃないの」
そう思うからです。
誠実な対応をするとしたら、まずは、予算通りの見積もりを出して説明するべきです。そうしたあとで、この金額だとここが不十分になるとか、ここが不便とか、長い目で見たらここにはもう少し出した方がいいとか、こちら(客)の側に立ったオプションを説明するべきだと思います。
その順番が入れ替わると、いくら客のためと思っていたとしても、とにかく売ってやろうとしているのではないかと疑ってしまいます。
今時の客は、様々な広告・宣伝、営業手法を知っています。いろいろな売り込みも受けています。従って、小細工は見破られる可能性が高いのです。
これからは、ますます、本当に顧客のためを考えて営業することが必要なんじゃないかと思います。
長い目で見れば、そういう姿勢が浸透している会社が勝つ!
そう信じています。
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