あの名経営者、カルロス・ゴーンはどこへ行ったのか・・・

昨年(2018年)の11月に逮捕されたカルロス・ゴーン。

世間でも衝撃的な事件として扱われていましたが、私にとっても衝撃的な出来事でした。というのも、私にとってカルロス・ゴーンという人物は、尊敬すべき経営者であり、リーダーであり、学ぶべきところがたくさんある注目の人物だったからです。

あのゴーンさんが、逮捕された!

え?!嘘でしょ?!

どうして?!

逮捕の一報を目にしたときは、まさに自分の目を疑いました。

でも、その後報道された記事を読んでいくうちに、経営者として、どこかで道を外れてしまったのかなと思うようになりました。

もちろん、記事のすべてが真実ではないかもしれません。最終的には、有罪にならないかもしれません。それでも、尊敬すべき経営者、リーダーであるとは、もういえなくなってしまったという印象は変わりません。

それでも当初の改革は評価されるべき

ただ、当初の改革については、間違いなく評価されるべきものだと思います。「外国人だからしがらみがなくて、リストラできた」とか、「優秀な社員がいたからできたのであって、ゴーンの力ではない」とか、「数字の見せ方がうまかっただけ」とか、否定的な意見も見られます。その意見を100%否定するつもりもありませんが、当初の改革については、ゴーンさんの功績として認められるものだと思います。

私は、ずっと企業変革について関心を持っていたので、関連する本があれば必ず読み、その手の記事を見つけたらスクラップ&マークして見逃さないようにしてきました。当然、日産の事例、ゴーンさんについての書籍、記事はかなり読み込んでいます。成功した企業変革の事例の一つとして、学ぶところも多いと思っています。それは今も変わりません。

だから、とても残念です。

真実がどうなのかは、まだ分かりません。それでも、火のないところに煙は立たないというように、まったく問題がない、ということにはならないだろうと思います。

ルノーCEOの就任から始まった?

思えば、ゴーンさんが日産のCEOでありながら、ルノーのCEOになるというニュースを見たとき、それでうまくいくのかなと疑問を感じたことがありました。いくら素晴らしい経営者とはいえ、遠く離れた2つの国で、それぞれの国を代表するような大企業を経営することが可能なのか、疑問を感じずにはいられなかったのです。

もちろん、内部の事情は知りませんし、トップを支える優秀な人材がいるのかもしれませんし、できるかどうかを私が判断するのもおこがましいことではあります。軽々しく決めつけることでもありません。でも、野次馬的な視点でいえば、「うまくいかないんじゃないの」と思えてしまったわけです。

案の定、といっていいのかは分かりませんが、その頃から雲行きが怪しくなり、問題が生まれ始めていたようです。

誰にでも、できる限界がある

どんな名経営者であっても、あらゆるケースで力を発揮できるわけではありません。その人の得意分野で十分に力を発揮できるケースと、そうでないケースがあります。自分一人でできる範囲にも限界があります。その限界値は人によって違うとはいえ、限界があることは間違いありません。

より大きなことにチャレンジしたいという願望は、誰でも持っているでしょう。そして、より大きなことにチャレンジしようという姿勢は素晴らしいことだと思います。ただ、自分にどこまでできるのか、何ができるのかということを、過信せず、冷静に判断することも必要だと思います。

また、どれだけ大きな権力を握ったとしても、常に謙虚に、学ぶ姿勢を持ち続けることも重要だと思います。いえ、大きな権力を持てば持つほど、謙虚にならなければいけないのでしょう。

「実るほど頭を垂れる稲穂かな」

ゴーンさんとはレベルが違いますが、私自身の戒めにもしたいと思います。

自信を持つことは大切だけど、過信はダメだぞ、と。

参考書籍:

日産vs.ゴーン 支配と暗闘の20年 (文春新書)
井上 久男
文藝春秋
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