企業変革でも、人は感情で動くことを忘れてはならない

マーケティングのプランを考えたり、営業戦略を考えたりするときに、気をつけておかなければならないことの一つ。

それは、人は感情で動くということ。

人は、理詰めで考えて、冷静に購入を決定するのではなく、「これ、欲しい!」と感情的に決めてしまうものです。もっとも、何でもかんでも衝動買いというわけではなく、それなりには考えます。購入を決めるもっともらしい理由もきちんとあります。

でも、やっぱり、本当の決め手は、「これ、欲しい!」という感情的なものなのです。

なので、どうやったら売れるのかを考えるとき、その感情を動かすようにするわけです。

これは、企業変革をする上でも同じことです。社員の感情面をないがしろにしてはうまくいきません。

社員を動かすためには、感情面に配慮することが大切

企業変革、改革というのは、モノを売るよりは、論理的なもののような気がするかもしれません。モノを買うときに、衝動的に「これ、欲しい!」と買ってしまうことはあっても、企業変革しようっていうときに、「企業、変革したい!!」と、衝動的に変革を始めたりはしないからです。

たいていの場合、売上や利益などの数字に基づいて、最近の推移がこうなっていて、今後の予想がこうで、だからこうしなければならないと、企業変革の必要性を論理的に説明すると思います。客観的な数値に基づいて、論理的に判断が下され、それを論理的に説明されるわけです。

でも、これでは、人は動きません。

一部の人は、動くかもしれません。でも、組織全体の動きにするためには、社員の心のスイッチをオンにする必要があります。心のスイッチは、論理ではオンにすることができません。心のスイッチは、感情的なことによってオンになります。逆に、感情的なことでオフになります。いずれにしても、論理だけではなく、感情面に気を配る必要があるのです。

感情的に、ネガティブ、マイナスにならないように注意する

特に注意すべきは、心のスイッチがオフにならないようにすることです。つまり、感情的にネガティブになったり、マイナスになったりしないようにするということです。

なぜかというのは、説明は不要だと思います。

が、この重要性については、改めて、しっかりと認識しておくことが大切です。というのは、誰かが改革にネガティブになったり、マイナスに捉えるようになると、それは素早く伝染し、他の社員に広がっていきやすいからです。これは、企業変革の初期でも起こりますし、ある程度改革が進んでからも起こります。常に、気をつけておかなければならない重要なポイントなのです。

反対に、ポジティブなエネルギーが伝染して、広がっていくことは、ある条件を満たさないと起こりません。詳しくは、別の機会に書きたいと思いますが、企業変革に前向きな人が多数派になり始めているということが必須です。そして、この状態まで改革を進めていくのには、それなりの労力が必要になります。つまり、ある程度時間が経たないと、ポジティブなエネルギーが自然に広まっていくようにはならないのです。

ところが、マイナスのエネルギーは、いつでも、どこでも、割と簡単に広がっていくのです。

ですから、できる限り、マイナスのエネルギーは排除していく必要があります。

プラスでもマイナスでもなく、ニュートラルでいい

かといって、プラスのエネルギーを無理に創り出す必要もありません。あまり無理をすると、逆にマイナスの面が出てきますので、ここぞという場面になるまでは、それほど力を入れる必要はありません。

マラソンを走るときに、無理してハイペースで走って、あとでバテバテになるよりも、後半に余力が残るようにマイペースで走るようなイメージです。

あるいは、競馬などで、最後の追い込みで勝負が付いたりします。そのとき、追い込みが早すぎると最後に他の馬にかわされて逃げ切れないなんてことがあります。まあ、マラソンでもそうですが、勝負所のスパートは早すぎもせず、遅すぎもせず、適切なタイミングでしなければなりません。そこまでは、集団について、余力を蓄えておくわけです。

それと同じように、企業変革でも、ここぞというタイミングまでは、あまり無理する必要はありません。

人間には、プラスとマイナス、ポジティブとネガティブ、賛成と反対、などのどちらかだけではなく、普通、どちらでもない、まあまあ、という中間があります。あるタイミングまでは、その中間でいいのです。

スパートするのは、ここぞというタイミングで

ただし、漫然と、ダラダラやっていてはいけません。

いつがスパートにふさわしいベストタイミングなのか、ここぞというタイミングをいつも気にかけておかなければなりません。そうしないと、そのタイミングを逃してしまうからです。

では、どんなときがベストタイミングなのか。

それは、周りの人間の感情が、プラスのエネルギーで満たされるようになったとき、あるいは、全体的にプラスのエネルギーが伝染しそうなときです。ネガティブな言葉が出なくなったとき、雰囲気的に明るくなってきたとき、活動が当たり前になってきたとき、、、いろいろありますが、こればかりは、様々な経験から、状況を見極めていくしかありません。

いずれにしても、企業変革は、論理的に進めるだけではうまくいきません。もちろん、論理的な思考、客観的な裏付けなどは、とても重要です。それらに加えて、感情のエネルギーを生かさないと、企業変革は成功しないのです。

変革を進めるリーダーには、論理的な思考力、客観的に判断する力とともに、メンバーを鼓舞したり、心を動かす力が必要になるのです。