社員が勝手に動き出す職場づくり

社員が思うように動かない…そんなとき、ちょっと考えてみてください

経営者なら誰でも、一度くらいは思ったことがあるのではないでしょうか。どうして社員たちは思うように動かないのだろうと。

そんなときやりがちなことの一つは、カミナリを落とすこと。厳しく叱れば、こちらの思った通りに動いてくれるだろう。そんなことを期待して厳しく叱る。もちろん、かなり大きな影響があるでしょう。

でも残念なことに、しばらくすると同じようなことが繰り返されてしまいます。

ならば、そういう社員にはペナルティを与えようと、ルールをつくってみる。すると、もちろんペナルティを受けないように、社員たちは注意します。でも、これもまたしばらくすると問題が起こる。

社員たちは、ペナルティにならないようにするため、問題を隠す。ペナルティになることはない代わりにどうも動きが悪い。やることはやるけどそれ以上にはならない。ズルをする社員もいる。

それならば、今度は頑張って成果を上げた社員にご褒美をあげよう。そうすれば、頑張ってやるに違いない。

すると、たしかに頑張って成果を上げようと努力する社員が増えて来ます。でも、しばらくすると、頑張ってる社員はいつも頑張っているけど、そうじゃない社員はいつまでたっても頑張らない。結局、同じメンバーが成果を上げ、成果を上げないメンバーはいつも同じ。

さらに問題なのほ、自分だけよければいいと、個人プレーが目立つようになる。最悪なのは、足を引っ張りあうこと。注意しても、完全にはなくならない。

そんなこんなで、なかなか全員が頑張るという状態にはなりません。

どうもなかなか思うようにはいかず、悩みは尽きない…

こんなことはないでしょうか。

このような悩みを抱える経営者を何人も見てきました。経営者でなくても、部下を持つ立場の人なら、同じようなことで悩んでいるのではないでしょうか。

これを解決するためには、人をやる気にさせる原動力は何かということを、改めて考えてみる必要があります。

一番ありがちなのは、あめとムチ作戦です。確かにあめがもらえるから頑張る、ムチは嫌だから頑張ると、人を動かす力にはなります。

ただ、本当にやる気になったというのとは少し違います。あめやムチによって、やらされている、やらざるを得ない状態になっているというのが現実です。これでは本当に人の力を引き出して、大きな成果につなげることはできません。

それから、あめやムチは時間が経つにつれて効果を発揮しなくなります。あめやムチがだんだん当たり前になってくるので、そのことによって頑張ろうという気持ちが弱くなっていくのです。だからといって、あめの量を増やすとか、もっといいあめに変えるとか、そういうことにも限度があります。ムチも同じなので、徐々に効果を失っていきます。

人を動かす原動力が、外からの刺激によるものの場合、だんだん刺激に慣れてきてしまい、もっと強い刺激じゃないと動かなくなります。とはいっても、永遠に刺激を強くし続けることは不可能ですし、すぐに限界がやってくるのです。

また、あめとムチには、弊害もあります。仕事で成果を出すことよりも、あめそのものが目的になってしまうと、不正をしたり、ごまかしたりしてあめを得ようとするのです。本来は、良い成果を出させるためにあめを与えるわけですが、あめが欲しいので成果が出ているように細工するわけです。

ムチの場合も同じで、ムチが嫌で仕方がなくなると、ムチにならないように成果をごまかすようになります。いずれにしても、本来の目的であった成果は、置いてきぼりにされてしまうのです。

それでも、多くの人があめとムチで人を動かそうとするのは、それが比較的簡単なやり方だからでしょう。手っ取り早く効果が出る、簡単で即効性のある手段だからでしょう。

ただ、繰り返しになりますが、即効性はあっても、効果は長続きしません。

長続きさせるためには、その人を動かす原動力をその人の心の中につくる必要があります。外からの刺激で動かすようにするのではなく、自分から動こうとするようにしなければならないのです。

では、自分から動くようにするためにはどうしたらよいか。

一つは、仕事そのものの面白さ、楽しさ、やりがいを覚えさせることです。多くの場合、仕事はやっていて楽しいものではありません。趣味などで行うスポーツ、楽器の演奏、つり、読書、映画鑑賞、ゲーム、ドライブ、サイクリング、山登り、料理などなどは、やることそのものが楽しいので、自ら進んでやります。理想的なのは、それと同じように仕事がやっていて楽しいものだという意識を持たせることです。

昔ながらの考え方だと、仕事はつらいもの、厳しいもの、苦しいもので、だからこそお金をもらえるのだということになります。そのような一面があることは否定しませんが、それだけではないと思います。商品を完成させたという達成感、お客さんに喜んでもらえたという喜び、上手にできるようになった喜び、自分が何かの役に立った喜びなどなど、仕事を通じて喜びや満足感、幸福感を味わうことは可能です。

それを社員に意識させるようにするのです。

ただ、同じ仕事をしていても、人間関係、職場環境、上司のフォローなどの具合によって、それが地獄にもなれば天国にもなります。

ひたすら、指示、命令に従ってやらなければならない環境、仕事をやり遂げても、誰も認めてくれず、常に否定される環境、先輩から嫌がらせされる環境。そんな環境では、働く喜びも、仕事の楽しさも何もありません。

でも、ある一定のルールの中で、自主性を尊重してくれて、仕事の進め方が自分でコントロールできる職場、何かを達成したら、みんなで称賛し合い、認め合う職場、分からないことがあったら教えてくれ、親切にフォローしてくれる先輩、お互いが助け合おうとする職場。そういう職場なら、働く喜び、仕事の楽しさも生まれてくるはずです。

同じ事業であっても、職場の雰囲気づくりやマネジメントのスタイルによって、天国にもなれば、地獄にもなるのです。

楽しい職場、居心地のいい職場は、必ずしも生ぬるい、ぬるま湯の環境ではありません。楽しく、居心地のいいなかにも、ぴりっとした緊張感や、より上を目指そうとする向上心、積極的な姿勢、常にチャレンジしようとする雰囲気、お互いに切磋琢磨する風土などを共存させることは可能です。

逆に、厳しいノルマ、ミスや失敗にはペナルティ、職場では私語を慎み、笑い声もない。そういう職場だと、成果は上がりにくくなります。失敗を恐れて現状維持思考になり、その結果チャレンジはしない、余計なことを自ら進んでやるよりもいわれたことをやっておいた方が安全、とにかくミスしないように必要以上に緊張しながら仕事をする。このような職場は、ぬるま湯ではありませんが、だからといって生産性の高い職場にもなりません。みんなまじめに仕事に取り組んでいて、一見すると生産性が高いように思えるのですが、実は社員は萎縮していて、活力がなく、成果もあまり上がらないのです。

でも、世の中の上司、社長は、このような職場をつくりたがります。

ワイワイガヤガヤ、時には笑い声が聞こえる職場よりも、シーンとして、黙々と仕事している職場をつくりたがります。

時々失敗したり、間違えたりするけど、イキイキと社員が働いている職場よりも、一切ミスもせず、整然と仕事している職場をつくりたがります。

その方が、成果が出ると思っているからでしょう。

でも、反対です。

今の時代は特にそうです。現代はものがあふれていて、ありきたりの商品ではなく、何らかの特徴のある商品作りが求められます。黙々と整然と働いているだけでは、ごく普通の商品しか生まれません。むしろ、ワイワイガヤガヤうるさく、時には笑い声が聞こえるぐらいの職場の方が、新しいもの、面白いものを生み出しやすくなります。

社員が自発的に、勝手に動き出すのも、ワイワイガヤガヤした職場の方です。

活力があって、パワーがみなぎっているのもワイワイガヤガヤした職場の方です。

でも、ワイワイガヤガヤしている職場を敬遠する経営者が多いように思います。ふざけているとか、まじめに仕事をしていないように見えるからでしょうか。確かにワイワイガヤガヤばかりが行き過ぎると、仕事をしているというよりは遊んでいるようになってしまう可能性もあります。それを避けようとして、シーンとして黙々と仕事をする職場にしようとするのでしょう。

ただ、他社より一歩前に出ようとするのなら、ワイガヤで楽しい職場づくりにチャレンジするべきです。

そうすれば、社員のモチベーションはアップ!、生産性もアップ!!、当然業績もアップ!!!

うまい話過ぎて、嘘のようですが、本当の話です。

もう一つ本当の話をすると、こういう職場をつくるのには、それなりに努力も必要です。

手間暇かかるかもしれません。

でも、本当にいい会社をつくりたいのなら、やってみるべきだと思います。

ぜひぜひ、ワイガヤで楽しい職場をつくりましょう!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)