働くとは。仕事を楽しくする秘訣とは

社員の潜在能力を引き出す秘訣は、仕事を楽しくすること。
やりがいのある仕事にするための秘訣とは?

『トム・ソーヤの冒険』

子供の頃、誰でも読んだことがあるでしょう。

といっても、内容については、あまり覚えていません。やんちゃなトムが、一緒に住んでいるおばさんに厳しくしつけられていくことは覚えています。何か冒険する話だったとは思います。それ以上は…覚えていません。

でも、一つだけ、印象に残っているエピソードがあります。

それは、トムがおばさんからいわれた、フェンスのペンキを塗る話。

フェンスは高さが3メートル、長さが30メートル以上もあります。それを一人で塗らなくてはいけません。

「遊びに行きたいのに…」

誰か代わりにやってくれないかと思って、ちょうど近くにいた子に話しかけます。

「ねぇ、○○やるから、ペンキ塗ってくれない?」
「イヤだね」
「じゃあ、◆◆をやるからやってよ!」
「いや、ダメだ」
「ねぇ…」

あれこれ交換条件を出しますが、やってもらえません。仕方なく自分でペンキを塗っているところに友達が一人やってきます。

その友達は、「あ、おばさんに言われて、やらされてるんだな」とからかおうと近寄ってきます。

トムは、ペンキ塗りに没頭して、友達が来たことに気付かない振りをします。

「やあ、トム」
「あ、気付かなかったよ」
「これから泳ぎに行こうと思うんだけど、ペンキ塗りさせられてるんだね」
「え?させられてるんじゃないよ」
「え?おばさんに言われたんだろ」
「まあ、そうだけど、やりたくてやってるんだ」
「え?」
「だって、ペンキ塗りなんてそうそうできるもんじゃないだろ」

などと、いかにもペンキ塗りを楽しんでいるような振りをします。すると、不思議なもので、友達の方が、ペンキ塗りをやりたくなってしまうのです。

「ねぇ、僕にもやらせてくれよ」
「ダメだね」
「そんなこといわずに、やらせてくれよ」
「いや、誰でもいいっていうわけじゃないんだ。おばさんからもきつくいわれてるからね」
「りんごの芯をやるからさ、やらせてくれよ」
「いや、だめだ」
「じゃあ、丸ごとりんごやるからさ」
「仕方ないなぁ、やらせてやるよ」

と、うまい具合に、友達にやらせることに成功します。その後も、通りかかった友達に同じことをして、ペンキ塗りをやらせ、かつ、何かをもらうということを繰り返します。

自分でやらないで済むだけではなく、友達から報酬までもらってしまうのです。

これは、トムがペンキ塗りを罰としてやらされる苦行ではなく、遊びのように楽しく価値のあるものだと思わせたことによるものです。

つまり、部下に対して、仕事が楽しく、価値のあるものだと思わせることができれば、自ら進んで仕事をするようになるということです。

具体的にどうやるかが難しいですが、そこが上司の腕の見せ所。

仕事のつらさ、大変さだけではなく、働くことの楽しさ、喜び、面白さを伝えていくことはとても重要です。

とても重要どころか、それを伝えることがすべて!

とまでいってしまうと、言い過ぎかもしれませんが、かなり重要です。

それ次第で、社員の仕事に対する意識が変わってきますからね。