志村けんさんの「利他的発想」~「客のため」より「客の喜び」(日経MJより)

志村けんさんの笑いは利他的発想から生まれているといいます。
「客のため」よりも「客の喜び」を追求する笑い。
それは、ビジネスのマーケティングでも重要なポイントです。

2020年4月15日の日経MJで、志村けんさんの「利他的発想」という記事がありました。

志村さんのお笑いに対するスタンスと、マーケティングを絡めた記事で、マーケティングを考える上で大切な視点だなぁと思いました。

さて、先日お亡くなりになった志村けんさん。

老若男女を問わず、幅広く親しまれ、笑いを届けてくれました。

そんな志村さんの言葉が紹介されています。

「人を笑わせるのではなく、笑われるのが好きなんだ」

この言葉を見て、NHKでやっていた「となりのシムラ」を思い出しました。

大人のコントとでもいうのでしょうか、どこにでもいそうな“おじさん”が主人公で、笑いとともに哀愁が漂っていて、なんとも味わい深いんです。

これなんて、まさに「笑わせる」のではなく、「笑われる」という感じです。

志村さん演じる普通の“おじさん”が、おじさんにありがちなことをするだけで、何となくおかしく、そして哀愁を感じる。私自身も“おじさん”ですから、なんともいえないものがあります。

この記事では、「顧客のため」ではなく、「顧客の立場に立つ」ことが大事といっています。

私もそう思います。

「顧客のため」というのは、こちらの勝手な思い込みだったり、余計なお世話になりがちです。

頭では、「お客様のため」「お客様のため」と考えているつもりでも、結局は、自社の商品を販売したり、サービスを提供したりするわけです。もちろん、自社の商品やサービスがお客様の役に立つことを信じて、こちらの利益を優先するわけではなく、お客様のことを考えてのことです。

それでも、結局、自分たちの商品・サービスの良さを信じていると、相手の思いよりも、自分の思いを優先してしまって、お仕着せがましくなってしまうことも多いのです。

そうならないためには、「顧客の立場に立つ」ことが重要です。

といっても、「顧客の立場に立つ」ことは、そう簡単ではありません。顧客がどんなことを考えているか、どんな思いを抱いているかなど、そうそう分かる訳ではないからです。

分かるわけないのに、分かったような気になると、結局、お仕着せがましくなるのです。

ですから、「顧客のため」も「顧客の立場に立つ」も、結果としてはどちらも同じになってしまう可能性があります。

でも、常に「顧客の立場に立つ」を意識することは重要です。

「顧客のため」を意識するよりも「顧客の立場に立つ」を意識している方が、少しは顧客の立場で考えられるからです。

ある百貨店では、「売り場」のことを「お買い場」といっています。これも、「顧客の立場に立つ」を意識したことだと思います。

「店」が商品を「売る」のか、「お客」が商品を「買う」のかの違いで、結局同じことなのですが、「お客」を主語にする方が、よりお客様視点になれるのです。

ちょっとした違いのようでが、実は大きな発想の転換につながることでもあります。

なぜなら、「店」が主語の「売り場」から、「お客」が主語の「お買い場」へと、視点が180度変わっているからです。同じものを見ているのですが、反対側から見ているので、まったく違うものに見えることもあります。感じ方も違います。

ですから、発想の転換につながるわけです。

顧客満足度を高めようと思うのであれば、一度、「顧客の立場に立つ」ことを徹底してやってみるべきです。

本当に「顧客の立場に立つ」ことを実践できているか、あらゆることを改めて見直してみると、結構改善点が出てくるものです。一つひとつは大したことがなくても、それが積み重なるとその差は大きくなります。

ライバルに差をつけるためにも、改めて「顧客の立場に立つ」を、全社で実践してみてはいかがでしょうか