衆院選の結果から学ぶマーケティング

衆院選の結果から学ぶ、第3回目。

密かにタイトルが変わっています。

元の題材は同じなのですが、
今回は、リーダーシップよりも、
マーケティングについて語ります。

第1回、第2回を見ていない方は、
ぜひ、そちらもお読み下さい。

第1回はこちら
第2回はこちら

それから、YouTubeでも語ってみました
基本的な趣旨は同じですが、
表現などは違います。

よろしければこちらからどうぞ!

さて、前回は、主に小選挙区の結果について、
各党のリーダーシップと関連づけて、
話をしてみました。

今回は、比例代表の結果について、
マーケティングの観点から、
説明してみたいと思います。

維新の比例代表の議席数を、
前回の選挙と比較すると、

近畿 10(+5)
南関東 3(+2)
北関東 2(+2)
東京 2(+2)
東海 2(+1)
九州 2(+1)
東北 1(+1)
北陸信越 1(+1)
中国 1(+1)
四国 1(+1)
合計 25(+17) です。

ちなみに前回は、
近畿 5、南関東 1、東海 1、九州 1で
合計 8です。

この結果をどう見るか?

前回までは、やはり、
大阪の地域政党という
位置づけだったんですよね。

小選挙区での3議席は、すべて大阪ですし、
比例代表も近畿が5議席。

南関東、東海、九州に1議席ずつありますが、
やはり大阪中心という感が否めません。

ところが、今回は、小選挙区はともかく、
比例代表では、北海道を除く、
すべてのブロックで議席を確保しています。

もともと8議席だったのが、25議席に、
17議席も増やしています。

地域を全国に広げ、
議席数を3倍にしたわけです。

なぜ、大阪以外の地域で、
これだけ支持が増えたのか?

その理由は、前回の、
各党のリーダーシップについての説明と、
まったく同じことです。

ただ、比例代表への投票と、
小選挙区の投票だと、
少し基準が変わってくるということです。

小選挙区の場合は、党よりも人。

その人が、どのように働いてくれるか。

それが基準になりますよね。

もちろん、どの党に所属しているかによって、
何をしてくれるかが変わってきますが、
顔が見える投票なだけに、
やはり、人で選ぶことになります。

一方で、比例代表は、
人そのものを選択するわけではありません。

党に投票するので、
その党のイメージが重要です。

なので、マーケティングが関係している、
という訳なのです。

前回のまとめを、もう一度要約します。

自民については、

  • 伝える力が弱く、コロナ対策も納得できないところが多く、不満があった
  • といっても、コロナの問題は、誰がやっても完璧にはならないということも分かっていた
  • 実務的な面では、比較的安心できるのは自民党というイメージもある

立民については、

  • 批判ばかりしていて、自分たちが何をしたいのかがよく分からないこと、
  • 考えの違う党と連携してしまい、これまた結局何をしたいのかが曖昧になったこと、
  • つまり、ビジョンがはっきりしない、分かりにくい

維新については、

  • 大阪都構想、コロナ対策の双方で、リーダーシップを発揮して、ビジョンを示し、率先垂範で行動していた
  • 何となく、改革してくれそうなイメージ
  • しっかりとやってくれそうなイメージがある

比較的、プラスのイメージが描けるのは、
維新ということなんですよね。

自民は、あんまりよくないけど、
他にないという消去法で選択され、
結局、比例代表は減らなかった。

立民は、やってくれそうなイメージを、
描くことができなかった
(そういう人を増やせなかった)

大阪以外の地に暮らす人にとっては、
大阪都構想もよく分かりませんし、
維新の会が何をやっているのかも、
はっきりとは分かりません。

でも、大阪都構想への取り組みや、
コロナ禍での府知事の対応などから、
何となく改革をしてくれそう、
何となくしっかりとやってくれそう、
と思わせるのに成功したということです。

あとは、何でも与党に反対するのではなく、
是々非々でいくというのも、
信頼を勝ち取った要因でしょう。

何でも反対ばかりではなく、
きちんとやってくれそうなイメージですね。

でも、これは、あくまでもイメージ

だから、ある意味マーケティングなんです。

やってくれそうなイメージ。
頼りになりそうなイメージ。

日頃の活動やメッセージから、
それがうまく伝えられていたということです。

それがうまくできていなかったのが、
やはり立民。

比例代表の議席数の増減を見ると、
そう思わざるを得ません。

維新が増やした17議席のうち、
15議席は、立民から。
残りの2議席は、自民から。

比例代表では、
自民を食ったのではなく、
立民を食ったのです。

まとめると、
イメージをつくるのには、
メッセージに一貫性があるということと、
そこに行動が伴う必要があること。

明確にビジョンを示し、
そこに向かって邁進している姿は、
やはり人を巻き込む力があります。

一方で、いくら伝える力が優れていても、
人の揚げ足を取るようなことばかりではダメ。
行動が伴わないのもダメ。

リーダーシップもマーケティングも、
それは同じだということです。

政治の世界を予想するつもりはないのですが、
今後、維新の動向が注目されますね。

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