7-1:個性的なチーム

全日本女子バレー編(1/4)
今回の全日本チームは、これまでとは違っていました。バレーボールに詳しくない私が見ても、明らかに違うというチームでした。
まず、テレビで試合を見れば、すぐに分かります。
そう、身長です。大山選手が187センチ、栗原選手が186センチ。「やっぱりバレーボールの選手は大きい!」と思うのですが、その一方で、とても小柄な選手がいます。
それはセッターの竹下選手。159センチという身長は、普通の女性の中に入っても、決して大きな方ではありません。


プロフィールを見ると、また、面白いことに気づきます。まず、年齢が、34歳から17歳までと幅広い。これまでのチームは、おそらく28歳から22歳くらいまでに集中していたと思うのですが、今回は、まったくバラバラです。
それだけではなく、一人ひとりの選手の個性も強いように見えました。それは気のせいではなく、選手一人ひとりが、自分らしさを発揮していたようです。
すべて柳本監督の狙い通りです。
柳本監督は、まず、勝てるチームを作るのに必要な選手を集めました。
「当たり前じゃん」
当たり前なのですが、これまでは、そうでもなかったようです。
「あいつは使いにくいから・・・」
「あの身長じゃダメ・・・」
「若すぎる・・・」
「○歳じゃ、もうダメだろう」
もっともな理由もありますが、そうでもない理由もあります。
柳本監督は、上記のような基準はまったく廃し、勝てるチームをつくるために必要な選手を選んだと言います。
そのため、年齢では、34歳の吉原キャプテンを最年長に、17歳の木村選手までと幅広くなりました。
身長にもこだわらず、159センチの竹下選手を選出。
攻撃の要、レフトには、大山選手と栗原選手の当時19歳の若手コンビ。
一度は、引退した竹下選手と成田選手。そろそろ現役引退を考えていた吉原選手がキャプテン。
吉原選手は、かつては全日本メンバーで、2度オリンピックにも出場していますが、その後は代表から外され、そろそろ引退を考えていたといいます。
吉原選手は、以前所属していたチームを解雇され、イタリアのプロリーグに行くということも経験しています。そのような背景から、個性が強く、使いにくい選手というレッテルも貼られていました。
しかし、その強い個性が、監督に使いにくいと思わせてしまう強さが、チームに必要だと柳本監督は考えたのです。コートの中で、監督の役割を果たせるような、リーダーシップを発揮できる選手が欲しかったのだと思います。
そして、若いアタッカーの大山選手と栗原選手。若く、未熟な面も多々あります。精神的にも弱い・・・アタックは良いけど、レシーブはダメ・・・
これまでの日本的な考え方なら、レシーブがダメだし、精神的にも弱いから、まだ使えない・・・こうなっていたのではないでしょうか。
ところが、柳本監督は逆です。アタックが良いんだから、どうやってその良さを生かすか・・・
竹下選手も同じです。
身長が低いからダメではなく、あのうまさをどうやったら生かせるか・・・
若い選手の精神面の弱さは、周りのベテランがカバー。レシーブの弱さも、周りのうまい選手がカバー。竹下選手の身長の低さも、周りでカバー。
各自の長所を生かして、弱点は他のメンバーが補えば良い。
そんな発想が、個性的なチーム=選手一人ひとりが、自分の力を発揮できるチームになっていたのではないかと思います。

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