7-4:自分たちでやらなきゃ!と思わせる

全日本女子バレー編(4/4)
今回のチームは、個性が強く、少し癖があると思われている選手を積極的に選んでいます。
監督にとっての使いやすさよりも、強いチームを作ることに必要な選手を選んだからです。
そして、その個性の強い選手の力を存分に引き出すために、自立した選手に育てようとします。選手一人ひとりが、自分たちで何をするべきか考えるようなチーム作りをしようとしたのです。
その一つは、すでにご紹介したように、選手同士の競争をあおることです。そして、もう一つは、死んだ振り作戦とでも言いましょうか・・・「頼りにならない監督を演じる」という「裏技」です。


バレーボールは、セッターとアタッカーのコンビネーションが大事で、そのためフォーメーションを組んで練習することが重要だといいます。当たり前なのですが、フォーメーションの練習をするためには、どのポジションに、どの選手がつくのか、スタメンを決めなければなりません。
それにもかかわらず、柳本監督は、スタメンを決めません。
吉原選手が、「早くポジションを決めて下さい」と詰め寄っても、「大丈夫。絶対、俺がアテネに連れて行く」と答えにならないようなことを言って、はぐらかす・・・
いつまでたっても、ポジションを決めなかったそうです。
また、ミーティングには一切顔を出さず、選手に任せっきり。
では、何でも選手たちに自由にやらせる監督なのかというと、突然、特定の選手に対して「ワンマン」と呼ばれる特訓を始める・・・
でも、時々、とても的確なアドバイスをくれる・・・
でも、具体的な方向性を示してくれない・・・
吉原主将を中心とした選手たちは、監督のことがよく分からず、「自分たちで力を付けていくしかないね」と話し合ったと言います。
実は、これが、柳本監督の作戦だったのです。
要するに、自分が死んだ振りをして、選手たちに、自分自身で考えさせようとしたのです。
かといって、完全に放任したわけではありません。うまくいかずに悩んでいる選手には、タイミングを見て、的確にアドバイスをしています。
よく選手たちを見ていて、基本的に自主的にやらせるけれども、ポイントとなるところは、きちんと押さえるということをやっていたわけです。
これは、前回ご紹介した、状況対応型のリーダーシップだと言えます。
キャプテンの吉原選手は、強烈なリーダーシップを持ち、自立した選手です。ですから、基本的にはあれこれ指示を出さず、任せっきり。ただし、油断があるなと見れば、すかさず、チェックを入れます。
うまくいかずに自信をなくしそうな選手には、きちんと、具体的なアドバイスをして、自信を取り戻させます。
ちょっとたるんでるなという選手には、雷を落とすこともあります。
それぞれの選手に合わせて、その選手を心身共に強くする方法を考えているのです。
その細やかな対応は、とても勉強になります。

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