8-1:イチローと松井秀(個人とチーム)

日本のプロ野球は、試合ではなくストライキで盛り上がっていましたが、アメリカでは、イチロー選手が、年間最多安打記録の更新まであと一歩まで迫り、注目されているようです。
イチロー選手は、日本でも最多安打記録を塗り替えましたが、まったく、大したものです。
さて、プレジデントという雑誌に『松井秀喜の大リーグ日記』という連載があります。最新号では、先ほど触れたイチローと松井の違いについて書かれていました。
イチローは「チームより個人」志向が強く、松井は「個人よりチーム」志向が強いという内容でした。
その原因を分析しているのですが、それは、二人が所属していたチームの違いによるものだといいます。
どういうことかといえば・・・


松井の所属するヤンキースは、常に勝つことが要求される球団で、以前も、巨人という常勝球団に所属。いずれも勝つことが求められ、チームそのものの注目度が高い。だから、個人記録よりもチームの勝利を願う気持ちが強い・・・
一方、イチローの所属するマリナーズは、昨年まではともかく、今年はまったく勝てないチーム。日本で所属していたオリックスも、優勝したこともあるが、パリーグのためか注目度が低い。注目されるためには、個人プレーで目立つしかない。だから、個人記録志向の方が強い・・・
このように分析しています。
もちろん、二人のもともとの性格の違いとかもあるでしょうが、まったく的はずれな分析でもないような気がします。
ところで、唐突ですが、今日のテーマは、スポーツ選手についてではありません。
成果主義と目標管理についてがテーマです。
これまた唐突ですが、本題に入ります。
成果主義や目標管理が、うまくいかない事例はたくさんあります。評価の基準の不透明さ、評価者に対する不信感、目標設定が不適切・・・などなど原因はいろいろあります。
その中で、今日考えたいテーマが、社員が個人主義に走るという問題です。
分かりやすくするために例をあげると、
1.会社全体としては、売上が悪い
2.所属している部署の成績も悪い
3.Aはものすごく成績が良かった
4.それなのに、ボーナスは少ない
5.Aは、「俺はがんばったのにどうしてだ?!」と不満
6.一方、同じ部署のBは、Aのやり方に不満
7.「Aのヤツ、俺の手柄を横取りしやがって」
8.同じ部署のCも、「こいつらに負けてたまるか」
ちょっと極端すぎるかも知れませんが、要するに、成績を上げれば自分が得するので、自分のことしか考えていない状態になってしまっているのです。
このような場合、よくあるのが、評価基準にチームの業績を加味するとか、チームへの貢献度を加味するという案です。
悪くはありません。
「個人だけではなく、チームのことも考えましょうね」というメッセージです。
ただ、私は、評価基準に入れるだけでは、それほど変わらないのではないか、という気がします。なぜかといえば、たとえば、「チームの業績とか言って、Bのせいで業績が上がらなかったじゃないか・・・」などという不満が出ることは間違いないからです。
結局、制度は制度。ルールはルール。
制度やルールを、いい加減にして良いということはありませんが、それ以前にやることがあります。それは、お互いの信頼関係、チームの雰囲気作りです。
そのためのヒントになるのが、最初にご紹介した、イチローと松井の比較です。
実績はともかく、巨人は、常に、勝つこと、優勝を求められています。世間からの注目度も高いチームです。実際に、ここ10年を見ても、4回優勝しており、セリーグでもっとも多い回数です。
そのようなチームにいれば、自然に優勝することを目標にするでしょう。もちろん、プロの選手であれば、自分がヒーローになりたいという思いも強いでしょう。それでも、いつも優勝を求められていれば、チームの優勝が優先という気持ちになってくるはずです。
一方、優勝の経験もない、世間からも注目されない・・・そんなチームにいる優秀な選手は、チームが勝つことよりも、個人記録の方に関心が行ってしまうのではないでしょうか。
(イチロー選手が、チームのことを考えていないという意味ではありません、念のため)
要するに、常に「優勝、優勝」と言っているチームと、そうでないチームでは、「優勝」に対する選手の意識に違いが出てくるということです。
組織内でも同じです。
「チームとしての目標を常に言い続ける」
毎日言われ続ければ、聞いている方も、次第に、意識が変わってくるはずです。最初は、あまり変化がなくても、言い続けているうちに、徐々に、徐々に、チーム内にその目標が浸透していくと思います。
リーダーが、「絶対に目標を達成する!」
そんな強い気持ちで取り組んでいれば、絶対に、メンバーにも伝わっていくはずです。伝わるまで、あきらめてはいけないのだと思います。
何と言っても、チームの雰囲気に、一番大きな影響を与えるのは、リーダーですから。

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