俺が育ててやったんだ。。。

先日、知り合いのコンサルタントに呼ばれて、ある会社に一緒に行きました。私が、幹部研修などをやっているのを知っているので、声をかけられたのです。

なんでも、その会社の社長が、今、悩んでいるらしいのです。

手塩にかけて育てた幹部社員が辞めてしまい、社長曰く、「残ったのは、頼りない、やる気のない幹部ばかり。。。」ということなのです。

そこで、どうやってこの幹部社員を鍛えたらいいかということで、私は呼ばれました。

その会社の社長の話を聞いて思ったこと。

「だから、幹部社員が辞めていくんだよ!」

その社長曰く。。。

「俺が目をかけてやったから、一人前になった」
「今の地位(辞めてしまいましたが)があるのは、俺のおかげ」
「もともとはダメ社員だったが、俺のおかげで幹部になれた」

などなど。

まあ、確かにそれは正しいことかもしれません。

その社長が、目をかけて、一生懸命育てたのでしょう。幹部にするしないを決定するのは社長ですから、幹部になれたのも社長のおかげでしょう。

しかしながら、よくよく話を聞けば、それだけで幹部として活躍していた訳ではないのです。

当たり前です。

本人だって、相当努力をしていたようです。

そりゃそうです。いくら何でも、本人がまったく努力もせず、さらには実力もないのに、社長のお気に入りだからというだけで幹部になる、ということはあまりありません。

確かに、その方は社長のお気に入りではあったと思います。でも、それに加えて実力が伴っていたからこそ、部下からも信頼されて、社長からも期待される幹部社員となっていたのです。

「社長から期待されているのが分かるから、それに応えたいんだ」

そんなことを、よくいっていたそうです。

途中までは、二人の関係は良好だったのです。

では、なぜ、この幹部は辞めてしまったのか?

あまりにも、社長が恩着せがましかったことと、成果を自分のものとして認めてもらえなかったからのようです。

「俺が育ててやったんだ」

社長のこんなセリフに、最初は、幹部も感謝していたようです。確かに、その通りだし、心から社長のおかげだと思っていたのですから。

でも、それにも限度があります。

何かある度に、社長から「俺のおかげだ」といわれ続け、だんだん耳に付くようになり、次第に感謝の念も薄れてしまったようです。

また、努力して新規開拓した大口の取引先について、まったく何もしていない社長が、「俺の力で契約できた」みたいなことをいったらしいのです。

そんなことが続いて、その幹部は辞めていきました。

私がいいたいのは、社長が悪くて、辞めていった幹部が正しいということではありません。

どちらが正しいのかは、私には何ともいえません。

辞めていった幹部社員が恩知らずなのかもしれないですし。。。

でも、聞いた話の中で判断すれば、良いか悪いかは別にして、原因を作ったのは社長です。

社長が、もう少し、この幹部社員を上手に認めてやれば、社長に対する感謝の念を持ち続け、この会社への貢献もさらに大きくなっていたことでしょう。

社長が一歩身を引いて、あえて幹部社員に花を持たせてあげていれば、ますますやる気になっていたことでしょう。

この社長は、自分が、自分がとアピールすることによって、かえって、部下からの信頼を無くしてしまったのです。

確かに、人間の心理は不思議なもので、「感謝しろ」といわれれば、感謝したくなくなるものです。人に花を持たせることも大切ですね。

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