スパナが飛んでくる!?
誰でも知っている、本田宗一郎氏。
いうまでもありませんが、今や世界的な企業である「ホンダ」の創業者です。
本田宗一郎氏については、いろいろな本が出ていますので、私も読んだことがあります。その本によれば、あまり褒められたものではない一面も見えてきます。
たとえば、社員が失敗するとスパナが飛んでくるとか、げんこつが飛んでくるとか。
今の時代、そんなことをしたら、下手すると訴えられます。大問題かも知れません。
でも、平気でそんなことをやっていたわけです。
そして、それでもついてくる社員がたくさんいたのです。
なぜか。
もちろん、辞めていった社員もたくさんいるでしょう。とてもついていけないと思った人もたくさんいるでしょう。でも、ついていこうと思った人もたくさんいるのです。
今なら訴えられそうな暴力をふるっているのにです。
ちなみに、私は、暴力反対派です。殴る蹴るの暴力も反対ですし、言葉の暴力も反対です。
人の上に立つのなら、そんな暴力なしでやれなきゃいけないと思っているからです。
それでも、私は、本田氏に好感を持っています。私は、前述の通り暴力反対派ですが、本田氏が暴力をふるっていたことを知っていても、好感を持っています。
もっとも、私が本田氏の部下だったら、どう判断するかは分かりません。でも、客観的に見た場合には、暴力に対する嫌悪感もあまりありません。
なぜか。
それは、本田宗一郎氏の見ているところは、常に、いい車、バイクを作りたいというところだからです。
「技術を高める」「品質を高める」
そこに意識が集中していて、げんこつやスパナを飛ばすのも、ただそのためだけだからと思えるからです。
言い方を変えれば、暴力の矛先が、ミスをした人にではなく、ミスそのものに向かっているような気がするからです。
あくまでも、私の印象ですが。
さて、人を叱るとき。
どうやって叱るかは、実は、あまり重要ではないと思います。穏やかに口頭で叱るのか、げんこつとともに叱るのか、激しい言葉で叱るのか。度が過ぎれば問題ではありますが、基本的には、感情の赴くままでもいいと思います。
計算して叱ることが大切だという考えもあるでしょうが、真剣に何かに取り組んでいれば、計算どころじゃなく、感情的に叱ることもあって構わないと思います。
それより重要なのは、どうして叱るのか。何のために叱るのか。誰のために叱るのか。
自分が頭にきたから叱るとか、自分の利益にならないから叱るとか、自分が困るから叱るとか、自分のために叱るとすれば、聞く方も素直には聞き入れられないでしょう。
でも、いいものを作りたいとか、いいサービスを提供したいとか、まずそういう思いがあって、その障害となることについて叱るのなら、素直に聞けると思います。
本田宗一郎氏は、恐らく、徹頭徹尾、一貫していたと思います。だから、周りの人間も納得できたのだと思います。
そうじゃなければ、たとえ、穏やかに叱ろうが、計算して叱ろうが、納得は得られないでしょう。
結局、しかり方、つまり方法、手法の問題ではないのです。
その人の姿勢、あり方が重要なのだと思います。
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