「正しいことをやりたければ偉くなれ」って難しい
最近、毎週土曜日の昼に、「踊る大捜査線」が再放送されています。今年、映画が公開されるようなので、そのための宣伝でしょうか。。。
それはそれとして、この番組を見ていると、サラリーマン社会で生きる人の悩み、葛藤、もどかしさ、、、などなどを、うまく表現しているなと思います。全体的には、コミカルにつくられているので、ただ単に楽しく見ることもできますが、組織論的な観点で見ても考えさせられるドラマです。
私は読んでいませんが、『踊る大捜査線に学ぶ組織論入門』という本もあるぐらいですからね。
さて、今日のタイトルは、そのドラマでいかりや長介さん演じる和久刑事が、主人公の青島刑事にいったセリフです。ひょっとすると、ちょっと違うかもしれませんが、こんなニュアンスのことをいっていたことは間違いありません。
このドラマは、表の主役が青島刑事であるならば、裏の主役は室井管理官だと思います。かたや現場の代表、かたやスタッフあるいは管理者、権力者の代表。
室井管理官は、青島刑事に感化されたのか、それとも元々そういう気質があったのか、どういう訳かは分かりませんが、現場に理解を示すキャリア組です。でも、それを押し通していくとキャリアの世界では、出世できません。
でも、キャリアの世界で出世していかないと、室井さんが思うところの正しいことはできません。今のキャリア組の悪い面も変えることができません。
ところが、今のキャリア組の中で偉くなるためには、自分が正しいと信じることをやっていたのでは無理。正しいことをしようとすると、出世できないのです。
さあ、どうするか。。。
「正しいことをやりたければ偉くなれ」
確かにそうなのですが、偉くなるまでの間はどうするか。。。
これが大きな問題です。
私は、このドラマを見ると、室井さんに同情してしまいます。青島君は、結局、彼の論理で好きに行動していますので、なんだかんだいいながら幸せ者だと思います。でも、室井さんは、組織の中間管理職の悲哀が漂っているので、どうしても同情してしまうのです。
たぶん、その姿に同情し、自分の姿を照らし合わせ、思わず感情移入しながら見てしまう人も少なくないでしょう。
このドラマは、世の中の姿をうまく表現していると思います。
でも、私は、現実はもっと厳しいところがある反面、もっとうまくいきやすいとも思っています。
ドラマでは、キャリア組の中に、室井さんの味方は皆無のように描かれています。ましてや、青島君の味方も存在しません。でも、現実の世界は、そうでもありません。
一見するといなさそうに見える室井さんの味方、青島くんの味方が、実は存在しているのです。
ただ、それを表明はしません。なぜなら、それを表明してしまえば、主流から外れるからです。それが自分の評価に影響して、出世できなくなったり、給料が上がらなかったり、そういうデメリットを恐れて心の中にしまっているのです。
でも、この世の中、実はそれほど捨てたもんじゃありません。
大きな声で誰かが表明したら、それに共鳴してくれる人も、想像以上にいるものです。
というか、誰かがそんな声を発してくれることを待っている人もいます。
従って、正しいと思うことを本気で突き詰めていけば、最初は風当たりが強かったとしても、次第にその風は、追い風になるのです。
そのためには、初めの一歩を踏み出す勇気が必要です。
もしそんな人がいたら、私は、全力を挙げて応援します!
もっとも、そういう人がこの世の中のどこにいるかも分からないし、どうやって応援するのかも分かりませんが。。。
投稿者プロフィール

最新の投稿
変革ストーリー2021.01.11【企業変革ストーリー】第一章「一念発起」 経営のヒント2020.02.24上司のひと言で部下は変わる 経営のヒント2020.02.17人前で話すのが苦手だった私が、今では講師になりました… 経営のヒント2020.02.10経営者やリーダーに人望は必要なのか?