バンドと組織運営

昔の会社の仲間とバンドをやっています。みんな仲良く、楽しくやっています。でも、いつもいつも楽しくやっているとは限りません。時々、問題が勃発します。
もちろん、そんなに大げさなものではありませんが、誰かの発言にいらだつとか、演奏のダメな部分を指摘されて、自分が悪いのに腹が立つとか。。。
みんな大人ですし、楽しくやるのがモットーですから、それほど大げさなことにはなりません。大きな問題になる前に軽く受け流すか、誰かがうまく空気を変えて、何事もなかったかのように進んでいきます。でも、時々、楽しくない場面が出てくるのです。
でも、それはメンバーの努力で回避されて、うまく回っています。
で、ちょっと思ったのです。
組織(この場合はバンド)をうまくやっていくためには、リーダーだけではなくて、それを補完する役割の人が大切なんだなと。


バンドには、規則やルール、指示・命令系統、権限などというものはありません。
あるとすれば、きちんと練習してくるとか、練習の時間は守るとか、そんな程度のことで、社会人としての常識です。
選曲については、リーダーが言い出しっぺになることが多いですが、嫌なものは嫌だとみんないいます。最終決定はリーダーがするとはいえ、全員の意見が反映されています。
練習日についても、リーダーがイニシアチブをとっていますが、これもまたみんなが揃わなければ意味がないので、みんなの都合によって決められます。
ある意味では、みんな平等です。リーダーがいったから、そのまま何でも通るなんていうことはありません。よくいえば民主主義ですが、みんなが協力しなければまとまらないのです。
また、バンドというのは、やりたくなくなったら、いつやめても誰も困らないものです。ちょっと楽しみがなくなるぐらいで、生活に困る訳じゃありません。嫌な思いまでして続ける必要なんてないのです。
そう考えると、バンドというのは継続しにくい組織です。
一方で会社というのは、組織という点でいえば継続しやすい組織です。(今回は、売上が上がるかどうかという事業としての継続性については置いておきます)
社員は、生活の糧を得る場ですから、少々嫌な思いをしたとしても辞めることはありません。きちんとした規則があって、指示・命令系統があって、何かを決定する権限があって、スムーズに運営されるように作られています。
でも、人が集まっているという面でいえば、バンドも会社も似たようなものです。バンドで問題になるようなことは、会社でも問題になるはずです。ただ、問題の解決方法は違います。
会社だったら、上司が叱るとか、上司が権限を利用して決めるとか、言い聞かせるとか、会社にとって都合のいいことを押しつけることができます。そして、たとえ押しつけられたとしても、会社とはこういうものだと、押しつけられた側もある程度は納得します。
バンドはそれができません。みんながそれぞれ譲り合ったり、話し合ったり、協力し合ったり、それぞれが自主的に、自分の意志を持って、かつ組織(バンド)のために行動、発言しないとうまく回っていかないのです。
そういいつつも、会社はバンドと全然違うのかというと、人が集まっているという点において、根本的には同じだと思うのです。ただ、会社は生活の糧を得る場であるという点と、規則、権限などがあるという点で、嫌だなと思ったり、それはおかしいなと思ったりしても、言い出さないだけです。
会社とバンドが違うのは、バンドの方が、自分の素直な気持ちをいいやすいということです。その分問題が表面化しやすいともいえます。一方、会社では素直な気持ちが言葉にはなりにくく、その分潜在的な問題が眠っているともいえるのです。
で、それを無視し続けていると、結局は会社もうまくいかなくなります。ある程度は我慢しても、あるところで会社を辞めるという決断をする社員が出てくるからです。退職しないとしても、面従腹背でやるべきことをやらないとか、何らかの問題が起こる可能性もあります。
それを防ぐためには、結局、バンドでやるような問題解決方法しかないような気がします。それは、生ぬるいようですが話し合って、お互いが納得するということです。
お互いにいいたいことをいって、譲れるところは譲り合って、お互いに協力して、組織全体がうまくいくように、一人ひとりが自分の意志で行動する。そんな環境を作っていくべきだと思うのです。
そんなときに必要なのが、リーダーの意図をくみ取りつつ、フォローしたり、意志疎通の場を作ったり、ときには部下をかばったり、励ましたり、あれこれ手を尽くして、リーダーとは違う立場で、会社がうまく回っていくようにする幹部です。
たぶん、どんなに偉大なリーダーがいようとも、それを補佐する人がいなければ、その組織はうまく回っていきません。
リーダーと補佐する人間は、上下関係ではありません。ある意味では横並びです。もっとも、最終決定権とか責任という意味では、横並びではありませんから、そういう意味では指示・命令系統が存在したりもするでしょう。
それでも、上下関係ではなく、一緒にその会社をうまくやっていこうとする仲間だと考えるべきだと思います。そう考えているリーダーは、態度や言葉の端々からそういう気持ちが見えてきますし、それによって補佐する人もより一層がんばろうという気持ちにもなるでしょう。リーダーと信頼関係ができていて、頼りにされていると思えば、一生懸命補佐するでしょう。
規則、権限で人を動かそうとしても、そこまではできません。
結局、規則とか権限のないバンドをうまくまとめるために必要なことが、会社組織においても必要なのだろうと思うわけです。

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