幹部社員を育てる3つのステップ

幹部社員は、意図的に、計画的に育てていく必要があります。
何かを教えることと同時に、様々な経験をさせることも重要です。
いきなり幹部社員ではなく、ステップを踏んで育てていくことが大切なポイントです。

 

幹部社員を育てる3つのステップとは、

  1. 課長を育てる
  2. 部長型マネジメントを教える
  3. 経営者マインドを醸成する(幹部社員を育てる)

です。

課長を育てる

この段階では、人の上に立つ人間としての心を学ぶ、つまり、マネジメントの基本を学ぶことが大切です。
また、リーダーとしての実戦経験を積む期間でもあります。
それが、ここでいう「課長を育てる」です。

役職は課長じゃなくても構いません。役に就いていなくてもいいですし、逆にすでに部長になっているとしても、この段階を改めてやり直す必要があるかもしれません。

役職は「部長」であっても、きちんとそれに見合ったマネジメントスキルを身に付けているとは限らないからです。

部長型マネジメントを教える

基本的なマネジメントスキルを身に付けたら、次のステップとして、部長型マネジメントを教えることになります。

部長型マネジメントというのは、管理する対象が平社員ではなく、部下のいる課長であることがポイントです。

上司として、指示、命令、指導などを行うわけですが、課長の場合は、部下が担当者なので、行動する人間(部下)に直接指示、命令、指導を行います。

一方、部長の場合は、担当者に直接指示、命令をするわけではありません。指示、命令するのは課長であって、部長ではないのです。

この違いは、部下を動かしていく上で、大きな違いになります。

同じ「●長」という管理職であっても、やるべきことやスタンスは大きく変わってきます。

課長と同じスタンスで、部長職をこなそうとするとうまくいきません。課長には課長の、部長には部長のやり方があるからです。

ですので、まずは課長としてマネジメントスキルの基本を学び、次のステップとして部長型マネジメントを学ぶ必要があるのです。

リーダー(課長)をマネジメントする経験を積む

これは、教科書があって、それを教えていくというよりは、実践の中で何を、どうすればよいのかを学んでいくことになります。

役割の違いを意識させた後は、平社員ではなく、部門のリーダー(課長)をマネジメントする経験を積ませ、必要なスキルを身に付けさせるのです。

経営者マインドを醸成する(幹部社員を育てる)

部長型マネジメントをある程度身に付けたら、いよいよ、幹部社員として育てる段階になります。

部長と幹部社員の違いは、厳密に何かがあるとは限りません。部長が幹部社員と認識されている場合もあるでしょうし、取締役が幹部社員ということもあるかもしれません。

あえて分けているのは、

  • 部長は、担当部門を統括する人
  • 幹部社員は、担当部門だけではなく、全社的な視点で仕事をする人

という意味合いを明確にするためです。

特に、強調したいのは、幹部社員は、「全社的な視点で仕事をする人」だということです。

従って、この段階で教えることは、全社的な視点でどう仕事をするか、経営者のマインド、目線はどのようなものかということです。

ただ、この段階になってくると、教えれば身に付けられるというものではなくなってきます。

本人が、会社全体を見る意識を持ち、経営者と同じ目線でものを見て、考え、行動できるように意識していく必要があるからです。これは、教えてどうこうというものではなく、本人がどれだけ意識するかが重要です。

従って、本人の自覚が最も重要なポイントになります。スキルや知識を教えるということよりも、幹部社員としてのマインドを醸成することが重要です。

そのためには、まず経営者が、候補者たちが幹部社員であるものとして接することが重要です。そうすることで、候補者たちの中に幹部社員としての自覚が芽生え始めます。

たとえば、子供が「あなたはもう大人なんだから」と大人扱いされると、それらしくなっていったり、新任の課長が周りから「課長、課長」といわれているうちに、徐々にそれらしくなっていくのと同じことです。

もちろん、幹部社員として扱ったからといって、それらしくなっていく人材ばかりではないでしょう。

その場合は、力量不足、自覚不足ということで、幹部社員として認める必要はありません。ただ、幹部社員として認められるようになったから幹部社員として扱うのではなく、自覚を持たせるために、先に「お前は幹部社員なんだぞ」という扱いをする必要があるということです。

以上が、幹部社員を育てる3つのステップということになります。

3つのステップということで、シンプルではありますが、一つひとつを身に付けていくためには、それなりの時間が必要になります。1ステップを2年として考えても、6年はかかります。現実的には、1ステップが3年で9年必要かもしれません。

また、1ステップが○年ずつと、均等になるわけでもありません。2ステップ目までは、3年ずつかかったとしても、3ステップは2年で済むかもしれません。

反対に、1ステップ目は2年でできたが、2ステップ目が4年以上かかるという場合もあります。

それは人によって違ってきます。その人の長所、短所によって、変わってくるからです。

いずれにしても、将来の幹部社員を育てるためには、それなりの時間が必要になるということを、あらかじめ踏まえておくことが重要かと思います。

でも、時間はかかっても、幹部社員を育成することはできるはずです。

育てる意識を明確にして、時間をかけて正しく取り組めば、頼りになる幹部社員が育ってくるのです。