社内マーケティングが社員教育

マーケティングは企業にとって重要であり、必要不可欠なモノです。
マーケティングに強い企業にするためには、社員全員がマーケティングを学ばなければなりません。
社内マーケティングが重要なカギを握ります。

 

2つのマーケティング(エクスターナル、インターナル)

一般的に、マーケティングとは外部の消費者に向けた活動をいいます。

外部に向けたマーケティングなので、エクスターナル・マーケティングともいいます。

それに対して、社内に向けたマーケティングをインターナル・マーケティングといいます。

なぜ、社内に向けたマーケティングが必要になるのかといえば、外部に自社の商品・サービスを広げていくためには、まず社員が自社の商品やサービスに愛着を持つことが重要だからです。

社内(インターナル)マーケティングは社員教育でもある

もともとは、サービス業のマーケティングを考えたときに、サービスの質を高めるためには、サービスを提供する人材の質を高めることが重要であり、そのために社内マーケティングが必要だということになりました。

質の高いサービスを提供するのは社員であり、そのためにも社員のモチベーションを高め、顧客志向の意識を高めていく必要があるわけです。そのために、企業は社員に動機付け、意識付けを行っていくのです。

つまりは、社内マーケティングというのは、社員教育でもあるのです。

社内マーケティングは製造業にとっても重要

社内マーケティングは、もともとは、サービス業のマーケティングで重要とされているのですが、現代では、サービス業にとどまりません。

というのは、製造業であっても、純粋にモノだけを販売しているわけではなく、サービスも一緒に提供していたりするからです。

それに、どんなモノをつくるのか企画するのは社員です。社員が自社の商品を企画するときに、顧客志向の意識を持つことはとても重要であり、必要不可欠なことでもあります。サービス業と同様に、社員のモチベーションを高め、顧客志向の意識を高めていくことが重要なのです。

製造業・大量生産の社員教育からサービス業・個別対応の社員教育へ

ところが、それが重要だと分かっていても、社員に対するアプローチは旧態依然としたものであることも多いようです。

つまり、機械的に同じモノを大量生産し、大量に販売していくときの社員教育から、顧客の嗜好に合わせた商品を作り、できるだけカスタマイズして販売するための社員教育への転換です。

製造業・大量生産の社員教育は画一的

機械的に同じモノを大量生産して、それを一気に販売するという時代は、社員の働き方も画一的になります。決められたルール通りに、確実にこなすことが重要で、それをいかに効率的に行うかが求められます。

社員も機械の一部のように、同じことを繰り返し実行するというイメージです。

機械の一部ですから、その都度やることを変えることは許されません。常に同じことをやらなければなりません。それをできるだけ早く、品質を落とさずに実行することが求められるのです。

ですから、社員教育もそのような決められたことを、決められたとおりに行うことが重視されました。

決まったルールを守り、より効率的に行うよう教育されたのです。

ところが、サービス業は同じようには行きません。

サービス業・個別対応の社員教育は創意工夫が必要

サービス業の品質を高めるためには、それぞれの顧客に合わせていくという視点が欠かせません。そのためには、顧客一人ひとりが持っている異なるニーズ、要求にできるだけ、きめ細やかに対応していくことが求められます。

製造業のように、画一的に、全員に同じサービスを提供すればいいというものではありません。

顧客一人ひとりに、個別にカスタマイズしてサービスを提供することが望まれるのです。

そうすると、社員教育の目指すところも変わってきます。

自社の商品・サービスのコンセプトを理解し、それに基づいた上で、どうしたらより質の高いサービスが提供できるかを社員一人ひとりが考えて、実行していくことが求められます。

技術力を高めることも重要ですし、創意工夫する姿勢も重要です。顧客のニーズは何かを考えることも重要です。

ある範囲の中で、社員一人ひとりが自分で考えていくことが求められるのです。

ある意味では、サービス業を営む経営者的な発想を持つことも重要になります。

社員教育のやり方は、製造業の場合と同じというわけにはいきません。

目的、ゴールが違うわけですから、やり方も変えなければならないのです。

社員教育とは、教えることではない

何か決まったことをやるだけであれば、そのやり方を教えることが社員教育です。もちろん、それができるようになるまで教えたり、見守ったり、修正点を指摘したり、いろいろやることはありますが、いずれにしても、指導者が教えることが社員教育です。

これは、製造業的な社員教育です。

ところが、サービス業の社員教育は少し違います。

なぜなら、サービス業では、決まったことをそのままやればいいわけではないからです。もちろん、最低限のサービスを提供するだけなら、決まったことをやればいいのです。ですから、初心者に対する社員教育は、差製造業の社員教育と変わりありません。

問題は、その後です。

サービスの品質を高めていくためには、サービスの提供者自らがどうしたらよいかを考え、レベルアップしていく必要があります。指導者から教えられたことをそのままやっているだけでは、顧客ごとのニーズにきめ細やかに対応して、質の高いサービスを提供することはできません。

そのためには、やり方を教えるのではなく、考え方を教えて、そこからはその考え方に基づいて自分で考えさせる必要があります。自分で考えて、工夫しながら実行してみる。その実践の中で、試行錯誤を繰り返しながら、レベルアップしていく必要があるのです。

ですから、社員教育といっても教えることばかりではありません。

教師というよりもコーチのような役割が重要です。

そこを変えていかないと、サービス品質を高めるための社員教育はうまくいきません。

製造業的な社員教育である「やり方を教える」だけでは、うまくいきません。

考え方を教えた後は、実践することを見守り、本人に考えさせ、気づきを与え、導いていく役割が重要です。

指導する側が、その役割の転換ができるかどうかで、社員の成長が左右されます。

そして最後にもう一つ重要なことがあります。

それは、教える内容です。

質の高いサービスを提供できるようにするために、自社のサービスのコンセプト、理念、セールスポイントを教え、いかに顧客のために価値を提供することが大切かを教えるのです。

この内容は、つまり、マーケティングです。

社員に向けたマーケティングなので、社内マーケティングということになります。

どんな企業でも同じことですが、特にサービス業の場合は、社員教育で最も優先されるべきなのはマーケティング

社内マーケティングを実践することが社員教育になるのです。