差別化するときのポイントは、集中すること

中小企業が他社と差別化するためには、特定の分野で圧倒的な競争力を持つようにすることが必要です。そのためには、限られた経営資源をある分野に集中投下し、その分野ではどこにも負けないものを作り上げなければなりません。

問題は、どこに集中するか、です。

といっても、何でもかんでも、とにかく集中すればいいわけではありません。

ナンバーワンになれるコンセプトをつくる

集中した分野で、他社に負けない、圧倒的な競争力を持つ、つまりナンバーワンになる必要があります。また、明確な、分かりやすい特徴があり、それが特定のお客様にとっては、ものすごく魅力的なものでなければなりません。

多くのお客様にとって、まあまあ魅力的なものではダメです。

ある特定のお客様にとって、ものすごく魅力的なものにすることが重要です。

そのために、

  • 誰をお客様とするのか、
  • どのような魅力をつくるのか、

を明確にした、コンセプトをつくる必要があります。

3C分析から、コンセプトをつくる

コンセプトをつくる場合には、思いつきではなく、現状を分析する必要があります。経営者の思いやこだわりを生かすことは大切なことですが、何となく思いついたからというだけでは、有効なコンセプトにはなりません。

仮に何となく思いついたコンセプトだとしても、後付けで本当に有効なものかどうかを分析する必要があります。

コンセプトを検討するときの分析としては、3C分析があります。

3C分析とは、① Customer(市場・顧客)、② Competitor(競合)、③ Company(自社)の3点について分析することです。

マーケティング戦略を立案する場合の基本ですので、ご存じの方も多いかもしれませんが、意外に使いこなすのは難しいものです。気をつけなければならないのは、分析のための分析にならないようにすること、分析ばかりに気を取られないことです。

自社の強み・得意分野は何かを明確にする

まず最初に検討すべきポイントは、自社の強み・得意分野は何かです。

マーケティングというと、マーケット(お客様)の目線で考えることが、基本中の基本になります。ただ、お客様のニーズばかりを考えると、自社で対応できない分野、自社の苦手な分野で勝負することになってしまう可能性もあります。

お客様の目線で考えることはとても大切なのですが、まず、自社の強み・得意分野は何かを明確にして、それを生かすということを大前提にしなければなりません。

では、自社の強み・得意分野とは何か。

自社の強み・得意分野を考えるときに重要なのは、自分たちの視点で考えないということです。自分たちでは得意分野だと考えていても、同じことをもっとうまくやれる会社があるとすれば、それは強みではありません。競合と比較して、自分たちが優位に立てるものが、強みです。

また、自分たちでは強み・得意分野だと思っていても、それがお客さんにとってのメリットになっていなければ、あまり意味がありません。たとえば、携帯電話(スマホじゃなくガラケー)などを考えてみると分かりやすいかもしれません。

スマホが中心になる前の携帯電話は、どんどん高機能化していました。電話なのにカメラがつき、インターネットが使えて、音楽も聴けて、スマホと同じとはいいませんが、それに近いぐらい、いろいろな機能が付いていました。ただ、スマホと違って画面も小さいし、機能によっては使いにくく、あまり利用していない機能もたくさんありました。それでも、差別化するために、どんどん新しい機能を追加し、それぞれを高機能にしようとする流れがありました。

ユーザーから見ると、別にそこまで必要ないのにも関わらずです。

そんなところに登場したのが、機能をシンプルにしたガラケーです。機能をシンプルにする代わりに、使いやすくボタンを配置して、直感的に操作ができるようにしたモデルです。高機能ではありませんが、それだけの機能があれば十分で、使いやすい方がいいというユーザーにはぴったりのモデルです。

このような例は、家電製品などでもよくあります。

技術力が強みだからといって、やみくもに高機能化を図ってもダメ。顧客目線で、何が必要で、何が不要か。それを考えて商品を作ることが重要なわけです。

つまり、自分たちの得意分野で、顧客にとって役に立つものは何かを明確にすることが重要です。

顧客を絞り込んで、ニーズ・ウォンツを具体化する

そのためには、幅広いお客様をターゲットにしてはいけません。若者からお年寄りまで、男性も女性も、すべての層に向けて商品を作ろうとしても、結局、コンセプトのぼけた、あまり魅力のない商品になってしまいます。

ある特定のターゲットに絞り込んで、そのターゲットにとって、ものすごく魅力的なものをつくることが重要です。もちろん、その魅力的なものをつくるために、自社の得意分野が生かせることも大切になります。

では、どのターゲットに絞り込めばいいのか。

一つは、既存の顧客の中で、自社にとっての優良顧客はどのような顧客なのかを分析し、絞り込む方法があります。

自社の顧客を、売上の多い順に見ていくと、何か特徴が見えてくるのではないでしょうか。一般消費者向けのビジネスか、企業向けのビジネスかによって、見え方が違ってくるとは思いますが、優良顧客には特定の層が多いとか、優良顧客に共通する特徴があるとか、何かが見えてくると思います。

見えてこない場合には、優良顧客に「なぜ、自社から買ってくれているのか?」を聞いてしまうことも有効です。

顧客にヒアリングすることで、自社のどんなところが顧客にとっての魅力なのかが分かります。それが、顧客のニーズでもあり、自社の強みでもあります。自社がどのような理由で顧客から選ばれているのかということは、実はそれが、顧客から見た魅力であり、自社の強みでもあるわけです。

このようにして、ターゲットとする顧客を絞り込み、自社の強み・得意分野を明確にしながら、コンセプトを明確にしていきます。

そのコンセプトは、競合他社に対して優位性を持つか

最後に、そのコンセプトは、競合他社と比較して、優位性を持っているかどうかを確認します。

ポイントの一つは、競合に簡単に真似されることはないか、です。

真似されたとしても、顧客にとってのイメージで自社が先行していれば、優位性を持っているといえます。あるいは、他社が真似しようとしているうちに、さらにその先に行くことができれば、優位性があるといえます。

現実問題として、他の誰にも真似できないことをやるのは、不可能といってもいいでしょう。なので、真似しにくいことかどうか、少しでも優位性を保てるかどうかを確認してみましょう。

そのときのもう一つのポイントは、自社のカラーに合っているかどうかです。

企業にも、人間にも、何らかのイメージがあります。そのイメージと、コンセプトのイメージが合致しているかどうかが重要です。

たとえば、「早い、安い、うまい」というキャッチフレーズの牛丼屋さんがありますが、このお店で、自社の調理技術を生かして、高級な牛肉料理を提供するとしましょう。

調理技術は、これまでに培ってきた技術の結晶で、他社は簡単には真似できないものだとします。素材の仕入も、既存事業での調達力を生かして、他社よりも優位性があります。これだけだと、高級な牛肉料理を提供することは、他社との差別化ができ、優位性もあって、有効な戦略になりそうです。

でも、高級な牛肉料理を既存の牛丼屋さんのメニューにしたとしたらどうでしょうか。

牛丼屋さんはあくまでも牛丼屋さんなので、そこで他にはない高級な牛肉料理が出てくるとしても、客にとってはあまり魅力的ではありません。牛丼屋さんに来るお客さんにとっては、高級な牛肉料理は必要ありませんし、高級な牛肉料理を食べたい人は、そもそも牛丼屋さんには行きません。

もし、これをやるのなら、別のブランドの、別業態を立ち上げて展開しないと、ビジネスとしては成功しないでしょう。

このように、他社と比較して優位性のあることでも、自社のイメージと合わない場合は、自社の強みにはなりません。少なくとも、そのまま自社の強みとして、事業を展開してもうまくいきません。上記のように別ブランドを立ち上げるなどして、強み・得意分野を生かす必要があります。

逆にいえば、自社のイメージ、特徴にあっていることであれば、他社と同じぐらいのレベルであっても、顧客から見ると優位性があるように見えるともいえます。

先ほどの牛丼屋さんで、「早い、安い、うまい」が顧客のイメージとして定着していれば、商品の提供スピードが他社と同じレベルであったとしても、お客さんは、早く提供されるというイメージで見てくれます。現実的には、それほど優位性がなくても、です。

そのような部分を強化していけば、大きな差別化ポイントになるということです。

まとめ

差別化戦略を考えるときのポイントを要約すると、以下の3つになります。

  1. 差別化するためには、3C分析をして、コンセプトを明確にする
  2. 3C分析とは、顧客、競合、自社を分析することである
  3. 差別化するためのコンセプトをつくるためには、どこかに集中することが必要である

さて、差別化戦略のポイントは3つに要約できますが、実際に有効な差別化戦略をつくりあげ、それを実行して、真の差別化を実現することは、簡単なことではありません。

コンセプトも、一度つくればそれでOKというわけでもありません。実際にそれが有効かどうかを試す必要があります。その結果として、微調整が必要な場合もありますし、場合によっては、大幅な見直しが必要になるかもしれません。

差別化して、確固たるポジションをつくることは、簡単なことではありません。逆にいえば、簡単なことではないからこそ、優位性があるということなので、鋭意努力することが重要です。

良い会社、強い会社をつくるために、がんばって行きましょう!

差別化戦略について、さらに詳しい情報は、こちら

差別化したい会社を応援します!

差別化応援プロジェクト