一撃必殺の精神で攻める
前回の確認:「今すぐ売上を上げるための3点セット」について
先週は、「今すぐ売上を上げるための3点セット」について説明しました。
具体的にいうと、
- なじみの客に、
- ダイレクトメールを送って、
- 魅力的な提案をする
これが、今すぐに、確実に売上を上げる方法であることを説明しました。
なぜこれが、「今すぐ売上を上げるための3点セット」なのか?
- それは、「なじみの客」なら、買ってくれるから
- 「ダイレクトメール」なら、直接メッセージが届けられるから
- なじみの客なら好みが分かるので、「魅力的な提案」を考えられて、買ってもらえる可能性が高いから
ということだったのですが、実は、今日のテーマ「一撃必殺の精神で攻める」の「一撃必殺」は、前回の3点セットを突き詰めていくようなイメージでもあります。
つまり、なじみ客を、一撃で確実に落とす、必ず仕留めるということです。
一撃必殺の精神とは、恋愛のようなもの
一撃必殺とはいうものの、実は、最初から「一撃」で仕留めるということは考えていません。一撃必殺の精神というのは、あっちをせめてダメだったから今度はこっち、こっちもダメだったから次はそっち・・・というように、ダメなら次!というような攻め方はしないという意味です。
ですので、大好きな異性にアプローチしていくような、恋愛にたとえた方が分かりやすいかもしれません。誰でもいいから恋人が欲しいというのはなく、この人が好きだから、この人を恋人にしたい!と、なんとしても恋人にするというイメージです。
ですので、前回の「今すぐ売上を上げる3点セット」を恋愛にたとえて表現してみたいと思います。
- (なじみの客)大好きな人に、
- (ダイレクトメール)ラブレターを送って、
- (魅力的な提案)つきあって欲しいとお願いする
このような感じになりますが、現実的には、いきなりラブレターを送るということもありませんよね。
これも、見知らぬ人にものを売ろうとするときと、まだ友達にもなっていない人を恋人にしようということと似ていると思います。
つまり、最終的に望む結果は置いといて、少しずつ段階を踏んでいくということです。恋愛なら、まずは、何か話のきっかけをつくろうとするでしょうか。
もちろん、学生なのか、社会人なのか、相手との関係はどうなのかなど、いろいろな状況があるので、一概にこれだという明確な答えがあるわけではありません。でも、恐らく、たいていの場合は、「どうやったら、相手に拒絶されずに、距離を縮められるか?」を考えて行くと思います。
では、そのために何をやるでしょうか?
まず、その人がどんな人か調べて、理解しようとする
最初にやることは、相手がどんな人なのかを知ることですよね。
同級生だったり、同僚だったりすれば、ある程度は知っているかもしれません。でも、隣のクラスの人だったり、同じ会社でも違う部署の人だったりすると、ほとんど何も分からないでしょう。
デートに誘うにも、ちょっと声をかけるにも、相手のことが分からないと、どうすればいいか分かりませんよね。ですので、何とかして相手のことを知ろうとするでしょう。
- 好きな食べ物は何か?
- 好きな音楽は何か?
- 趣味は何か?
- 休みの日は何しているか?
そうやって相手のことが分かったら、拒絶されないような、確実に“Yes”といってもらえそうな誘いをすると思います。それが何かは相手の好み、相手との関係性、状況などによって、全然違ってくるとは思います。
いきなりラブレターだとびっくりされてしまうかもしれませんので、今時なら、最初はラインでしょうか?最初はそれも分からないから、どうするんでしょうね???
まあ、いい年のおじさんとしては、今さらよく分かりません・・・
- 友人との集まりに誘う
- 趣味の会に誘う
- 何かについて教えて欲しいという
- ダブルデートに誘う
そんなところでしょうか。
いずれにしても、
「どうやったら、相手に拒絶されずに、距離を近づけられるか?
「どうしたら、相手がYesといってくれるか?」
を考えて、何とかするのでしょうね。
そのためにまずは相手のことをよく知ろうとするわけです。
ビジネスの場合も見込客を知ることから始まる
長々と、得意でもない恋愛の話をした理由は、一撃必殺の考え方と恋愛をうまくやることは共通点が多いからです。
私のいいたいことは伝わりましたでしょうか?
ということで、ビジネスの話に戻りますが、ビジネスでは、まず大切なのは、相手を知ることです。特に、一撃必殺の精神で攻める場合は、どうやったらその対象者を落とすことができるかということで、その対象者について照って的に知ることが大切です。
- 相手の欲しいもの、望むもの、望むことを知る
- 相手が嫌なこと、避けたいことを知る
- 相手にピッタリの商品は何か?を考える
- どうすれば相手がYesといってくれるかを考える
これは「大切です」では済まないほど大切です。これがなければ次に進めませんからね。
でも、普通にビジネスをやっていると、そこまで深く、見込客や顧客のことを考えたりしません。
もし、何かがうまくいっていない場合には、それが問題なのかもしれません。
参考書としてご紹介:チェット・ホームズ『究極のセールスマシン』
この一撃必殺の考え方を、まさに実行し、成功したというアメリカのコンサルタントがいました。もちろん、私より先に考え、実行していたのだと思いますが、その方の本を読んだとき、「ああ、自分の考え方は間違ってなかっただな」と心強く思いました。
その人の名前は、チェット・ホームズさん。
日本ではあまり知られていませんが、全米ベストセラー、「業績向上の最高権威」とよばれる伝説のコンサルタントだそうです。
その方の著書『究極のセールスマシン』に、一撃必殺の考え方と同じ考え方が紹介されています。
それは、第6章 優良な顧客を獲得するテクニック~売上を安く素早く劇的に増やす方法~のところにあります。一部を引用します。
「理想の顧客とは、他の客に比べて多く、素早く、頻繁に購入してくれる」
「理想の顧客が購入してくれるまで、ひたすら標的にし続ける」
「業績を最も早く伸ばす方法は、理想の顧客にターゲットを絞って狙い撃ちすること」
今は、新刊は手に入らないかもしれませんが、とても素晴らしい本だと思いますので、ぜひ、全部お読みになることをオススメします。
超売れている生命保険の営業マンも同じ
この一撃必殺と同じように考える方は、他にもたくさんいます。以前、生命保険の営業で、何年間も優秀な成績を上げていた人も同じことを言っていました。
その方は、何年も続けてMDRT会員だということです。MDRT(Million Dollar Round Table)とは、卓越した生命保険・金融プロフェッショナルの組織で、この会員は、国際的に生命保険と金融サービス事業の優績者であると評価されているそうです。
で、その優秀な営業マンがいっていました。
- ひたすら電話をかけてアポをとる
- この人と思ったら、あの手この手で落とす
一つめの「ひたすら電話をかけてアポをとる」は、一撃必殺ではありませんが、先々週にお話しした「大量行動」になりますよね。これは、一撃必殺と反対のことのようですが、必ずしもそうとはいえません。自分にとっての理想の見込客を徹底的に探して、アポをとるというようなイメージだからです。
とにかく誰でもいいから、何でもいいから、アポをとるというのとは違うのです。
2つめの「この人と思ったら、あの手この手で落とす」が、まさに一撃必殺です。この方がおっしゃっていたのは、ある町工場の経営者でした。午前中に会いに行ったら門前払いされ、終業後に行ったら疲れたからと追い返され、それならと就業前の時間に行ったら、やっと少し話ができ多層です。その後も毎日のように顔を出していたら、「お前もしつこいな」と笑いながら話を聞いてくれるようになったという話でした。他にも、どうしても顧客にしたいという人がいたら、このようにしてしつこく食い下がって、何とかドアを開いていったというのです。
この生命保険の営業マンの話は、根性論のようになってしまっているかもしれませんが、この思いはとても重要だと思います。
「一撃必殺」のためには、まず相手をよく知ること
結局、一撃必殺でいくためには、その相手をよく知らなければいけません。
これはビジネスの基本であり、本当に大切なことです。欠かすことのできないことです。
売上倍増を目指していくためにはもちろん、ビジネスを展開していく上で、超超超基本となる、大切なことです。
実践してみよう!~顧客を深く知る
ということで、今週もまた、なじみ客(じゃなくてもいいですが)について、よく知り、分析することをやってみましょう。
これは、一度やったからそれでOKというものではなく、何度も何度もやるべきものです。なぜなら、なじみ客も少しずつ変わっていくからです。そして、私たちも変わっていくからです。そういった変化に気づくためにも、変化に対応するためにも、このようなワークは、定期的に、徹底的に実行することをオススメします。 前回の「なじみ客を分析する」とやることは同じです。
なじみ客を分析する
- ペルソナをつくる(なじみ客の中から、理想的な人を選ぶ)
- その人は、何を望んでいるか?
- どんなことに喜びを感じるか?
- どんなものだったら、思わず買ってしまうか?
- 困っていることはないか?
- 問題・悩みはないか?
- これがなくなったらいいのに・・・というものはないか?
売上倍増のためには、とにかく実行が大切です。
しかも、売上を増やすためのことを、徹底的にやらなければいけません。
超・超・超基本的なことですが、お客さんのことを分析する。
ぜひ、やってみてください!