人を育てることは、経営者の責任である!
企業は”人”で決まる
「企業は人なり」とは、あの経営の神様、松下幸之助さんの言葉です。
企業は、人が集まってできているので、その集まっている人次第で、その企業がどんな企業なのかが決まってきます。
あの名著『ビジョナリー・カンパニー』でも、「誰をバスに乗せるか」が第一で、どこに行くのかはその次だといっています。
そのぐらい、人材が重要だということです。
でも、なかなかいい人材が集まらない・・・
「そうはいってもねぇ・・・」
「うちみたいな会社には、いい人材は来てくれないんだよ・・・」
そんな嘆きをよく聞きます。
確かにそうなのかもしれません。
でも、そこで終わってしまって良いものなのでしょうか?
そこであきらめてしまって良いのでしょうか?
いい人材が先か、いい会社が先か~鶏が先か卵が先かと同じ
そんなことをいうのは、そこであきらめずに、努力をし続けることで、少しずついい人材が集まるようになったという会社を知っているからです。
それに、ソニーだってパナソニックだって、最初は数人規模の小さな会社でした。
どんな会社も、最初から大企業だったわけではありません。
最初は、特定の人にとって魅力的な会社になればいいのです。
たとえば、ソニーは、「技術者のための、自由闊達な、愉快なる理想工場をつくる」というのが、創業時(東京通信工業株式会社)の設立趣意書に書かれています。
当初は、技術者のことが中心だったわけですが、そこから成長・発展して、今や誰もが知っている大企業になっています。
事業分野も技術だけではなく、金融なども加わり、広がっています。
でも、最初は、「技術者のための愉快なる理想工場」だったのです。
働く人にとって魅力的な会社とは?
では、具体的にどうすればいいのでしょうか?
働く人一人ひとりが活躍できる、働く人にとって魅力的な会社をつくれば良いのです。
「だから、それはどうすればいいの???」
そこが難しいですよね・・・
一ついえることは、経営者が従業員をコントロールし過ぎてはいけないということです。
どんな人でも、誰かの言いなりになることは、あまり愉快なことではありません。
自分の頭で考え、自分の意志で決め、自分で成果を出す。
だれでも、自分の意志で行動したいのです。
もちろん、組織ですから、一定の制約がありますし、自分勝手が許されるというわけではありません。
組織ですから、目的を共有し、一定のルールのもとに、行動していく必要があります。
でも、そんな中でも、それなりの自由があり、一人ひとりの意志で仕事を進められるような会社にしていくことが重要になってくるわけです。
魅力的な会社にするために、自律した社員を育てる
そのためには、社員一人ひとりが、自分で考えて、自分で行動できるように育てていかなければなりません。
社員一人ひとりが、自律した大人のように行動できる会社をつくる必要があるということです。
もちろん、学校を卒業したばかりの新入社員にそれを求めるのは無理があります。
子どもが少しずつ大人になっていくのと同じように、入社した当初は手取り足取り指導したり、指示したりする必要があるでしょう。
でも、それをいつまでも続けてはいけないのです。
自律した大人の社員になれるように、育成していく必要があるのです。
環境、仕事、組織文化が社員を育てる
そのような自律した大人の社員を育てるためには、まず、周りがみんな、自律した大人の社員である必要があります。
そうすれば、周りの先輩たちに影響されて、後から入ってきた後輩たちも、先輩たちを見習い、先輩たちのように育っていくのです。
つまり、会社の環境や組織文化が、社員を育てていくというわけです。
「朱に交われば赤くなる」という言葉がありますよね。
これは、良くも悪くも、同じ環境にいれば、だんだん似てくるものだということを表しています。
同じ会社で長年働いている人たちは、やっぱり似てるんですよね。
外部から見ると、考え方や行動パターンなど、それぞれの会社に特徴があります。
ですから、それをうまく、意図的につくっていく必要があるのです。
環境、組織文化をつくるのは経営者の仕事
そして、それをつくるのは経営者です。
正確にいうと、社員全員でつくっていくものなのですが、その発端は、経営者です。
どんなものにするかを決めるのは経営者です。
経営者の言葉、経営者の考え方、経営者の行動。
それが、会社の空気、組織文化をつくっていきます。
人を育てるというのは、研修を実施するとか、作業を教えるということだけではないのです。
じゃあ、どうすればいいのか?
そこが重要なのですが・・・
それは、少しずつ別の記事にまとめていきます。
ぜひ、参考になさってみて下さい!